TMUとMontel社、受粉不要の屋内ベリー栽培技術をケベック州で実証へ

編集者: Olga Samsonova

トロント・メトロポリタン大学(TMU)の研究チームは、自然受粉に依存しない屋内ベリー生産技術の実現に向けた重要な一歩として、制御環境農業(CEA)分野におけるスケーラブルな多層的生産の可能性を追求している。TMUの研究者らは、機械工学と植物科学の専門知識を統合し、従来の農業が抱える季節性や環境への依存といった課題の克服を目指している。特に、カナダ初となる自己受粉型垂直積層農場「MoFarm」プロジェクトを通じて、ラズベリーの年間を通じた持続可能な生産を目指す。

この技術的進展は、産業パートナーであるMontel Inc.との戦略的提携により具体化され、ケベック州モンマニーに実証農場MoFarmの建設が予定されている。Montel Inc.は、1924年創業で高密度移動式保管システムの設計・製造を専門とし、近年では屋内垂直農場システムを手掛ける世界的な企業である。MoFarmの中核技術は、特許を取得した独自の気流メカニズムであり、これがベリー栽培における自然受粉媒介者への依存を完全に排除する役割を果たす。このシステムは、作物の受粉を自律的に行うことで、昆虫や天候への依存度を低減させることを目的としている。

従来のベリー栽培、特にブルーベリーにおいては、受粉の成功が収穫量を左右し、主にミツバチなどの昆虫に依存してきた。人工授粉も天候に左右されやすく、作業負担が大きいという課題があった。しかし、TMUの研究者らが開発した新技術は、受粉プロセスを完全に機械化・自動化することで、これらの制約からの解放を目指す。この技術は、ラズベリーとブラックベリーを概念実証として用い、農薬や土壌を不要とし、年間を通じてあらゆる気候下での生産を可能にする持続可能な代替手段を提供する。

このイノベーションは、CEA、特に垂直農法における生産効率の向上を示唆する。TMUの機械工学のハビバ・ブーゲレラ教授と植物科学者のレズリー・キャンベル教授による共同研究は、2025年6月11日にウェストン・ファミリー財団のHomegrown Innovation Challengeのスケーリングフェーズへの進出が発表され、3年間にわたり500万カナダドルの追加資金提供を受けている。この資金は、モジュラー式の垂直農場システムであるMoFarmのさらなる開発と実証に充てられる予定である。

この受粉フリー技術は、農業生産の安定化と食料安全保障の観点からも重要性が高い。TMUの研究者らは、この技術を通じて、気候変動の影響を受けやすい現代農業において、高品質なベリー類を安定的に供給する新たなパラダイムの構築を目指している。この取り組みは、農業の未来を再構築する学際的研究の事例として注目されている。

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ソース元

  • Benzinga

  • Newswire.ca

  • Agritecture

  • Montel Inc.

  • News and Events

  • Farms.com

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