ネバダ州サッカー・パスにおける大規模リチウム鉱床、エネルギー転換の国内供給網強化に寄与か

編集者: Vera Mo

ネバダ州とオレゴン州の州境に位置する古代の火山カルデラ、サッカー・パスにおいて、リチウムの重要な鉱床が発見された。この地質学的発見は、電気自動車(EV)やエネルギー貯蔵システムに不可欠なリチウムの国内供給を強化する上で、極めて重要な節目と見なされている。この発見に関する研究論文は、学術誌『Science Advances』に掲載された。

研究者らは、サッカー・パスのリチウム鉱床が2,000万トンから4,000万メトリックトンのリチウムを含有する可能性があり、これは現時点で確認されている世界最大級の鉱床となることを示唆している。この埋蔵量はマクダーミット・カルデラ(McDermitt Caldera)の南縁部に集中しており、約1,600万年前にマグマ溜まりの崩壊によって形成された火山性陥没地形の堆積物内に存在する。リチウムは、火山岩から熱水性の高温流体によって溶け出し、湖底の堆積物に沈着することで濃縮された。

特に注目されるのは、リチウムを強固に保持するイライト(illite)という粘土が約100フィート(約30メートル)の厚さの帯を形成している点である。このイライト層に含まれるリチウム濃度は重量比で1.3パーセントから2.4パーセントに達し、一般的な硬岩リチウム鉱床の約2倍の濃度であり、経済的な採掘の優位性を示唆している。この粘土層が比較的浅い地質構造に存在するため、従来の深部硬岩採掘と比較して、採掘コストの大幅な削減が見込まれる。

このプロジェクト開発を主導するのは、リチウム・アメリカス・コーポレーション(Lithium Americas Corporation、LAC)のグローバル探査担当副社長であるトーマス・R・ベンソン博士である。同社の計画では、約6,000エーカーの範囲で露天掘りを実施し、関連する尾鉱堆積物や処理施設を建設する。LACは、この資源をバッテリー供給網に組み込むことで、米国のエネルギー安全保障と国内バッテリーサプライチェーンの強化に不可欠な一歩となることを目指している。

しかしながら、この大規模埋蔵量の開発は水資源管理に関して重大な懸念を引き起こしている。LACは、クイン川渓谷の帯水層から年間5,000エーカーフィート(約17億ガロン)もの地下水を汲み上げる計画を立てており、地元部族や農業コミュニティから懸念が示されている。これに対し、LACはプロセス水の85パーセントをリサイクルするゼロ液体排出(ZLD)設計を採用し、持続可能な水管理を優先すると表明している。粘土からのリチウム抽出は、既存の手法とは異なる比較的新しい技術であり、その商業的実現可能性と環境適合性が今後の焦点となる。

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ソース元

  • 4NEWS.mk

  • U.S. Geological Survey

  • Science Advances

  • Reuters

  • Mining.com

  • Lithium Americas Corp.

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