欧州中央銀行、デジタルユーロの技術的準備完了を宣言、立法承認フェーズへ移行
編集者: gaya ❤️ one
欧州中央銀行(ECB)は、2025年12月18日の年内最終記者会見において、中銀デジタル通貨(CBDC)であるデジタルユーロの技術的および準備的な作業が概ね完了したことを公式に発表した。ECB総裁のクリスティーヌ・ラガルド氏は、この重要な節目を機に、プロジェクトの焦点が欧州理事会および欧州議会による立法承認の段階へと移行したと明言した。この移行は、デジタルユーロが単なる技術的構想から、欧州の金融インフラを規定する法的実体へと変貌する過程における決定的な転換点を示唆している。ラガルド総裁は、デジタルユーロの究極的な目標が、デジタル時代における金融システムの安定性を支える確固たる通貨アンカーを確保することにあると強調した。ECBは、EUの共同立法者に対し、欧州委員会が提示した提案を速やかに法制化するか、あるいは必要な修正を加えるよう強く要請している。
デジタルユーロ構想は、ユーロ圏における通貨主権と経済安全保障を確保するための戦略的優先事項として位置づけられている。この背景には、現金利用の継続的な減少傾向があり、2021年頃から議論が活発化していた。デジタルユーロは、現金を補完する公的なデジタル決済手段として構想されており、シンプルさ、プライバシーの保護、信頼性、そしてユーロ圏全域での利用可能性といった現金の利点をデジタル領域にもたらすことを目指している。欧州委員会は2023年7月に発行枠組み規則案を提案しており、この案はデジタルユーロの法定通貨としての地位や必須要素を規定するものである。
欧州の動きは、地政学的な要因、特に米国の政策動向と強く関連している。元ECB専務理事のピエロ・チポローネ氏は、2025年初頭に、米国のステーブルコイン規制の動向に対抗する形でデジタルユーロの必要性を訴えていた。実際、2025年1月には、ドナルド・トランプ米大統領が、連邦機関に対しCBDCの確立、発行、または促進を禁止する大統領令に署名し、米国のCBDC開発を一時的に停止させた。さらに、2025年7月には米国でGENIUS Actが可決され、ステーブルコイン政策の一部に対処したものの、CBDC禁止措置は維持され、米国がドル連動型ステーブルコインの利用を推進する姿勢を明確にしたことが、欧州側の通貨自律性への懸念を一層高めた。
国際通貨基金(IMF)は、民間デジタルマネー資産が国内金融政策や安定性に及ぼす潜在的なリスクについて警告を発しており、これはECBが公的なデジタルアンカーを確立しようとする動機と対照的である。デジタルユーロの設計においては、プライバシー侵害や銀行預金の流出といった懸念に対処するため、保有上限額の設定や、オフライン決済機能の確保が検討されている。決済システムにおける欧州域外企業への依存度が高い現状、特にカード決済の約3分の2が域外企業によって処理されている状況を打破するため、デジタルユーロは欧州独自の決済インフラの強靭化に不可欠と見なされている。
技術的準備の完了は、ECBの初期のマンデート達成を示すが、プロジェクトの最終的な成否は、欧州理事会と欧州議会における政治的合意と法整備の進捗に完全に委ねられた。ECBは、2029年中の最初の発行準備完了を目指しており、これには2029年中に約13億ユーロ、その後は年間3億2,000万ユーロの開発・運用費用が見込まれている。 この重要な局面において、ECBは金融政策の方向性については明言を避け、2025年12月18日の政策理事会では主要政策金利を2.15%に据え置く決定を下し、データに基づいた慎重なアプローチを維持している。
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ソース元
Decrypt
European Central Bank
Reuters
Atlantic Council
CNBC
International Monetary Fund
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