
黒ニゲラ種子の継続摂取、総コレステロール値低下に寄与する可能性を国際共同研究が示唆
編集者: Olga Samsonova

世界的に香辛料として利用される黒ニゲラ種子(*Nigella sativa*)が、脂質代謝の改善に寄与する新たな健康効果を持つことが、近年の研究で確認された。大阪公立大学とバングラデシュのChattogram Veterinary and Animal Sciences Universityからなる国際共同研究チームは、この伝統的な薬用植物の種子が持つ抗肥満効果を、細胞実験とヒト臨床試験の両面から統合的に検証した。この研究成果は、学術誌「Food Science & Nutrition」に2025年9月にオンライン掲載され、機能性食品としての新たな可能性を示唆している。
ヒトを対象としたランダム化比較試験では、参加者に8週間にわたり毎日5グラムの黒ニゲラ種子粉末を摂取させる介入が実施された。この継続的な摂取の結果、総コレステロール(TC)、低密度リポタンパクコレステロール(LDL-C)、およびトリグリセリド(TG)の血中濃度が統計的に有意な低下を示した。特筆すべきは、動脈硬化予防に有益とされる高密度リポタンパクコレステロール(HDL-C、「善玉」コレステロール)の値が上昇傾向を示した点であり、これは代謝健康のサポートにおける役割を裏付ける所見である。
分子メカニズムの解明に向けた細胞レベルの実験では、黒ニゲラ種子エキスをマウスの前駆脂肪細胞(3T3-L1)に適用した。その結果、脂肪滴の蓄積が大幅に抑制され、脂肪細胞への分化に不可欠な主要な転写因子であるC/EBPα、C/EBPβ、PPARγの発現が顕著に低下することが確認された。この事実は、黒ニゲラ種子エキスが脂肪生成(アディポジェネシス)の過程を分子レベルで抑制する作用を持つことを強く裏付けている。
黒ニゲラ種子の主要な活性化合物の一つであるチモキノン(Thymoquinone)は、先行研究においても脂肪細胞の分化を抑制することが示唆されていたが、今回の研究は、細胞毒性が認められなかった安全性の高いエキスを用いて、ヒトの血中脂質改善効果と結びつけた点で重要性が高い。また、食欲に関するアンケート調査(CNAQ)では、摂取による食欲低下などの負の影響は認められず、日常的な食生活への組み込みやすさが示唆された。
黒ニゲラ(和名:クロクミン、カロンジ)は、南アジアや中東地域を中心に、抗酸化作用、抗炎症作用、抗糖尿病作用など多岐にわたる機能性が伝統医療において古くから認識されてきた薬効植物である。システマティックレビューによれば、肥満のほか、高血圧、炎症、酸化ストレスなど、生活習慣病に関連する複数の健康指標に対する効果が報告されている。脂質異常症に対する改善効果は、腸内でのコレステロール吸収阻害や肝臓でのコレステロール合成減少、LDL受容体のアップレギュレーションに起因する可能性も指摘されている。
研究グループを代表する大阪公立大学の小島明子准教授は、細胞レベルでの基礎研究と国際共同研究によるヒト介入試験を統合した本研究の意義を強調し、黒ニゲラ種子を食生活に適切に取り入れることで、人々の健康増進に貢献できることを期待していると述べた。専門家は、さらなる大規模かつ長期的な臨床研究の必要性を指摘しつつも、現時点では、日常の食事に約小さじ半分の種子を組み込むことを推奨している。
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ソース元
Verywell Health
Vertex AI Search
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Sci.News
News-Medical.Net
Osaka Metropolitan University
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