超加工食品規制強化:英国の広告制限と米国の食事指針改定の国際的動向
編集者: Olga Samsonova
世界的に、健康への深刻な影響が指摘される超加工食品(UPF)に対する規制の動きが加速している。この潮流は、単なる栄養指導の枠を超え、公衆衛生を支えるための構造的な政策転換を示唆している。特に、英国と米国が相次いで具体的な措置を打ち出しており、その動向は国際的な注目を集めている。
英国では、小児肥満対策を主眼に、2026年1月5日より、高脂肪・高塩分・高糖分(HFSS)食品の広告に関する厳格な新規則が施行された。この措置により、テレビでの放送は午後9時以降に限定され、オンライン上では終日、いわゆるジャンクフードの有料広告が全面的に禁止されることとなった。この規制は、ソフトドリンク、チョコレート、ピザ、アイスクリームなど、子どもの肥満の主要因とされる製品を対象としており、政府はこれにより、子どもの食事から年間最大72億キロカロリーを削減し、約2万件の小児肥満を予防できると試算している。ハートフォードシャー大学のキャサリン・ブラウン教授は、この動きを「遅きに失したものの、正しい方向への一歩」と評価し、不健康な食品の積極的なマーケティングが子どもの食生活に与える影響の大きさを指摘している。
一方、米国では、2025年から2030年版の「米国人のための食事ガイドライン」が2026年1月7日に保健福祉省(HHS)と農務省(USDA)によって発表され、高度に加工された食品の摂取抑制を明確に推奨している。このガイドラインは、学校給食を含む連邦プログラムの基準に影響を与える重要な文書であり、数十年ぶりに食品栄養政策を強化する内容となっている。特に、添加糖類については4歳未満の子どもに対してはゼロを推奨しており、飽和脂肪の摂取量も総カロリーの10%未満に抑える目標を維持しつつ、高度加工食品の大幅な制限を求めている。この米国の指針は、「リアル・フード」、すなわち自然な状態に近い食品を重視し、工業的な「偽物の食品」を排除するというパラダイムシフトを内包している。
世界的に、超加工食品(UPF)の定義をめぐる議論は続いているが、規制の動きは止まらない。ブラジルのサンパウロ大学のカルロス・アウグスト・モンテイロ教授らが提唱したNOVA分類では、UPFは家庭料理では使用されない香料や乳化剤などを多用し、工業的に加工された食品群として定義されている。米国では、HHS、USDA、FDAが共同で統一的な定義策定に向けた情報収集を開始しており、米国で流通する包装商品の約70%がUPFと見なされ、子どもの摂取カロリーの60%以上を占めるというデータも示されている。これらの食品は、がん、心血管疾患、2型糖尿病、肥満など、深刻な健康被害との関連が数十件の研究で報告されている。
英国では、過体重から肥満の成人55人を対象とした介入試験で、UPF中心の食事と最小限の加工のみの食品(MPF)中心の食事を比較し、体重変化への影響が検証された。規制の対象となるHFSS食品の選定には栄養価と飽和脂肪、塩分、糖分の含有量を評価するスコアリングツールが用いられているが、一部の専門家からは、規制対象が不健康な製品そのものを映した広告に限定されるため、企業のブランド宣伝は継続する可能性が指摘されている。こうした国際的な規制の波は、食品産業のマーケティング戦略や製品構成に構造的な変化を迫るものであり、公衆衛生の改善に向けた具体的な一歩として、今後の各国の政策実行と市場への影響が注視される。
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ソース元
Corriere della Sera
JD Supra
ASTHO
The Guardian
GOV.UK
EdNC
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