商業捕鯨モラトリアム40年、IWCは海洋生態系保護の岐路に立つ
編集者: Olga Samsonova
国際捕鯨委員会(IWC)は、2026年の創設80周年を前に、1986年に発効した商業捕鯨に関する世界的なモラトリアム(一時停止措置)から40年という節目を迎えている。このモラトリアムは、数世紀にわたる捕獲圧に晒されたクジラ類の個体群回復の契機として広く認識されている。IWCは、国際捕鯨取締条約に基づき1948年に設立され、当初は捕鯨産業の秩序ある発展を目的としていたが、資源枯渇の懸念からモラトリアムが採択された経緯がある。
現在、大半の国がこの国際合意を遵守する一方、アイスランド、ノルウェー、そして日本は捕鯨を継続している。特にノルウェーはIWCの枠組み外で独自の捕獲制限を設定しており、2026年については、未使用分の割当繰越を理由にミンククジラ捕獲枠を前年比235頭増の1,641頭に設定したと発表した。一方、日本は2019年にIWCを脱退した後、自国の領海および排他的経済水域内での商業捕鯨を再開している。
IWCの焦点は、伝統的な捕鯨規制から、現代の海洋生態系に対するより広範な脅威へと移行しつつある。専門家は現在、漁業による絡まり(エンタングルメント)と混獲を、クジラ類およびイルカ類に対する主要な脅威として特定しており、これらの人為的な相互作用が世界中で年間30万頭以上の鯨類を死に至らしめていると推定されている。流出した漁網やロープといった「ゴーストギア」は、海洋生物にとって致命的なプラスチックごみの一つであり、北太平洋の「太平洋ごみベルト」における浮遊プラスチックの46%を占めるというデータも存在する。
IWCは、商業捕鯨の管理という当初の役割を超え、船舶との衝突や海洋汚染といった現代的な課題に対処するため活動範囲を拡大している。2022年10月にスロベニアのポルトロシュで開催されたIWC第68回総会では、日本がオブザーバーとして初めて参加し、日本の脱退後、捕鯨支持国と非捕鯨国の対立構造がいくらか緩和された印象を与えた。
次回のIWC第70回総会はオーストラリアのホバートで開催される予定であり、これらの喫緊の保全課題が主要な議題となる。鯨類の保護と管理は国際的な協調が不可欠な地球規模の課題であり、IWCがその中心的な役割を果たすことが求められている。特に、漁具による混獲の被害規模の正確な把握は依然として困難であり、対策の遅れが懸念される。IWCの今後の議論は、海洋環境全体の持続可能性を担保するための国際的な枠組みを再構築する試金石となるだろう。
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ソース元
The Good Men Project
IFLScience
Mongabay
IFAW
Ministry of Foreign Affairs of Japan
IISD SDG Knowledge Hub
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