罵声が筋力パフォーマンスを一時的に向上させる、英米の研究チームが発表
編集者: Vera Mo
英国のキール大学とアラバマ大学ハンツビル校の研究チームは、肉体的負荷の高い活動において、罵声(ののしり言葉)を一時的に発することが身体能力の向上を促す現象を検証した。この研究結果は、2025年12月18日に学術誌『American Psychologist』で発表され、スポーツやリハビリテーションなど、瞬間的な決断力や積極性が求められる場面での応用可能性を示唆している。
研究では、被験者192名が椅子を使った腕立て伏せ(チェアプッシュアップ)を実施し、2秒ごとに「Fuck」や「Shit」といった罵声、あるいは中立的な単語を繰り返すよう指示された。先行研究では、罵声が痛覚閾値を33%上昇させる効果が確認されており、今回の研究は、その効果が身体的な持久力に及ぶかを詳細に調査した。罵声を発したグループは、中立的な単語を繰り返したグループと比較して、自重を支え続けた時間が平均して11%長く持続したことが判明した。
リードオーサーであるキール大学のリチャード・スティーブンス博士は、この効果が、罵声が「脱抑制状態(disinhibited state of mind)」や「フロー状態」を誘発することに起因すると示唆している。この状態は、自己肯定感を高め、気が散る要因を減少させる効果があると説明された。スティーブンス博士は、罵声を「カロリーを消費せず、薬物も不要で、低コストかつ容易に入手可能なツール」として位置づけ、必要な場面でのパフォーマンス向上策となり得ると評価した。
総合的な分析では、心理的フロー、注意散漫の度合い、自己肯定感の向上が、罵声によるパフォーマンス向上効果を媒介していることが示された。これは、罵声が、最大限の努力を引き出し、内的な制約を乗り越えるのに適した心理状態を促進することを示唆している。先行研究で検討された「闘争・逃走反応」による生理的覚醒の兆候が観察されなかったため、現在の研究チームは、罵声が社会的な制約から解放され、より自由に、より強く行動することを可能にする「状態的脱抑制」を誘発するという見解を支持している。
研究チームは、この知見を、人前でのスピーチや社会的な交流といった、躊躇や自己抑制が関わる状況での利点についても、今後の調査対象とする計画を立てている。この現象が英語圏以外でも同様に機能するかについても検証が進められており、文化的な背景に関わらず、罵声が持つ根源的な効果が示唆されている。
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ソース元
Stuttgarter-Zeitung.de
American Psychological Association
WVLK-AM
CNET
Wikipedia
Wikipédia
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