メリアム・ウェブスター、20年ぶりとなる大学辞典第12版を刊行、新語5000語以上を収録

編集者: Vera Mo

メリアム・ウェブスター社は、2025年11月18日に最新の『メリアム・ウェブスター大学辞典』第12版を刊行した。同社の編集者ピーター・ソコロウスキー氏によって発表されたこの改訂版は、2003年版以来、20年以上にわたる初めての包括的なハードカバー版の刷新となる。この版には、同社のオンライン調査とデータ分析に基づき、5,000語以上の新しい単語と1,000の新しいフレーズや慣用句が盛り込まれている。メリアム・ウェブスター社は1964年以来、エンサイクロペディア・ブリタニカの子会社である。

物理的な体裁も注目され、第12版は慣れ親しんだ赤い表紙を維持しつつ、重さは約5ポンドに達する。この新しいコンテンツを収容するため、第11版に収録されていた使用頻度の低い人名や地名の項目、そして「enwheel」のような古風な単語の一部は削除された。オンラインプラットフォームでは年間約10億回のアクセスを記録しているメリアム・ウェブスター社は、この「Collegiate」版を、より有用で、閲覧や調査に適した物理的書籍として再定義することを目指している。

新規収録語の中でも特に注目されるのは、動詞「to adult」(大人として振る舞う)から派生した名詞「adulting」である。これはソーシャルメディアが普及した2013年頃に浮上し、フルタイムの仕事や家賃の支払いといった現代社会における大人の責任や日常の雑務をこなす行為を指す。また、テキストメッセージングを通じて拡大した言語を反映し、インフォーマルなタグ疑問文である「amirite」や、無害なユーモアを伴う複合語「dad joke」も現代の語彙として採用された。

言語学的な観点からは、専門用語も追加されている。「mediopassive」は、主語が動作を受ける構文、具体的には「The window opens easily.」のような文構造を記述する新しい用語であり、中動態(middle voice)やmedio-passiveとも呼ばれる。「non-rhotic」も収録されており、これは単語の最後や母音の前で/r/の音が発音されない英語のアクセントを指す専門用語である。

日常的な表現としては、軽蔑や不満を示す横目遣いを意味する「side-eye」が加わった。その他、降雨後の特有の匂いを指す「petrichor (geosmin)」や、ドキュメンタリー『Free Solo』で認知された安全装備なしのロッククライミングを指す「free solo」も、この版に含まれている。これらの新規語彙はすでにウェブサイトで利用可能であったが、物理的な書籍への統合は、他の単語を調べている最中に新しい語彙を発見する偶発性の価値を再認識させる動きと見なせる。

ソース元

  • Writer's Digest

  • Merriam-Webster Adds Over 5,000 New Words To Collegiate Dictionary

  • Merriam-Webster Announces Twelfth Edition of its Iconic Collegiate Dictionary

  • Merriam-Webster Revamps Collegiate Dictionary with Over 5,000 New Words

  • "Dumbphone," "ghost kitchen" among over 5,000 words added to Merriam-Webster dictionary in rare update - CBS News

  • From 'rizz' to 'dad bod': Merriam-Webster adds 5000 new words to dictionary

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