NTTデータと花王、AIシミュレーションで化粧品研究開発を大幅に効率化
編集者: Olga Samsonova
NTTデータは、日本の大手消費財メーカーである花王株式会社に対し、AIを活用した消費者行動シミュレーションの概念実証(PoC)が成功したと発表した。この取り組みは、AIモデルを用いて消費者の行動特性をシミュレーションするペルソナを構築し、製品開発研究を支援する実現可能性を検証したものである。
消費者の価値観や購買行動が絶えず変化する現代において、マーケティング部門には進化する顧客ニーズを迅速かつ正確に捉えることが不可欠となっている。しかし、従来の製品開発研究プロセスは、研究設計から分析に至るまで多大な時間とコストを要し、限られた開発期間内でのデータ深掘りや仮説検証が困難であった。特に、花王のメイクアップブランドのようにシーズンごとに新製品を投入する企業にとって、製品開発サイクルの短縮は重要な課題であった。
この課題に対し、NTTデータは花王が蓄積してきた消費者調査データ、購買データ、ソーシャルメディアデータを統合し、マーケティングAIエージェントサービスを活用した。具体的には、製品開発研究のために複数のAIコンシューマーとAI面接官を生成して検証を行った。このAI主導の研究は、従来の調査手法で得られた知見と一貫性を保ちつつ、開発期間を従来の1.5ヶ月からわずか半日に短縮できる可能性を示し、99%の効率向上を達成した。
この技術進展は、運用上の大幅な効率化に加え、回答者のリクルートや調査実施に伴う負荷を軽減し、より高度な消費者インサイトプロセスの実現を可能にする。このAIコンシューマー技術は、NTTデータ数理システムが開発するマルチエージェントシミュレーションシステムと関連が深く、消費者の行動をモデル化し、施策による効果を定量的に評価するのに役立つ。
花王のケースでは、AI面接官の統合により、従来のトライアンドエラーに依存していた研究開発プロセスからの脱却と、市場の急速なトレンド変化への対応体制構築の道筋が示された。このAIによる消費者行動シミュレーションは、製品開発の迅速化という直接的な恩恵に加え、企業が的確にターゲットを絞り込み、市場の要求に即応する戦略的優位性の確立に繋がる。
化粧品業界全体では、AI導入による研究開発の加速が顕著である。例えば、資生堂はアクセンチュアと共同で独自アルゴリズムによる「処方開発AI機能」を開発し、2024年2月からデジタルプラットフォーム「VOYAGER」に搭載した。また、ポーラ・オルビスグループの研究開発を担うポーラ化成工業は、化粧品開発支援AIシステム「エイム ポーラー(AIM POLAR)」を開発し、2025年1月に本格稼働させた。これらの事例は、長年蓄積された処方情報や研究データをAIに学習させることで、コンセプト創出や最適な処方設計の精度が向上しているという業界の潮流を裏付けている。
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Business Wire
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NTT DATA Group
CX Today
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