米連邦準備制度理事会、景気減速受け0.25%利下げ 金価格に影響

編集者: Svetlana Velgush

米連邦準備制度理事会(FRB)は2025年9月17日、労働市場の鈍化と経済成長の減速を受けて、政策金利を0.25パーセントポイント引き下げ、フェデラルファンド金利の誘導目標レンジを4.00%~4.25%としました。これは2024年12月以来となる利下げであり、経済の安定化に向けたFRBの姿勢を示しています。

FRBのパウエル議長は、労働市場の勢いが弱まり、雇用に対する下方リスクが増加していることを利下げの主な理由として挙げました。インフレ率は依然としてFRBの目標である2%を上回っているものの、経済活動の鈍化を考慮した結果、金融政策の緩和に舵を切った形です。FRBの経済予測では、2025年末までにさらに2回の利下げが示唆されていますが、市場の一部からは、より積極的な利下げを期待する声もありました。

この決定を受けて、市場では様々な動きが見られました。スポット金価格は0.2%下落し、1オンスあたり3,654.29ドルとなりました。これは、利下げによって米ドルが相対的に強含み、金価格に圧力がかかったためと考えられます。米ドルは対主要通貨で0.2%上昇しました。また、金ETFの代表格であるSPDRゴールド・トラストの保有量は、979.95トンから975.66トンへとわずかに減少しました。

他の貴金属市場では、スポット銀が0.3%下落して1オンスあたり41.53ドルとなった一方、プラチナは0.4%上昇して1,366.75ドル、パラジウムは横ばいの1,153.87ドルで取引を終えました。

金市場は、2025年に入ってから顕著な上昇トレンドを続けており、年初来で約39%、2024年全体でも27%の上昇を記録しています。これは、金融緩和への期待、地政学的な緊張の高まり、そして世界各国の中央銀行による金購入の増加などが背景にあります。一般的に、FRBの利下げは米ドル安とインフレヘッジとしての金の需要を高める要因となりますが、今回はインフレが依然として懸念材料であるため、市場は今後の経済指標の発表とFRBの動向を慎重に見守っています。

FRBは、最大雇用と物価安定という二つの責務の達成に引き続き注力する姿勢を示しており、今後の金融政策は発表される経済データ、特にインフレ率と雇用統計に大きく左右される見通しです。投資家は、FRBの次の会合での追加利下げの可能性とそのペースに注目しており、これが金価格を含む資産市場全体に影響を与えると考えられます。SPDRゴールド・トラストは、金への投資手段として広く利用されていますが、今回の利下げ発表後の金価格の動向を受けて、その値動きが注目されています。

ソース元

  • Reuters

  • Federal Reserve lowers interest rates by 0.25 percentage points in first cut since December - CBS News

  • Federal Reserve's September 2025 Meeting Begins Today with a Half-Point Rate Cut on the Horizon - The Economic Times

  • Fed Rate Cut 2025: Expected, Not Assured | Morgan Stanley

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