LandSpace社ZQ 3初飛行、第2段は軌道投入成功も第1段回収は失敗

中国の民間宇宙企業であるLandSpace社は、2025年12月3日水曜日に、開発した再利用可能ロケット「ZQ 3」（ローズフィンチ3号）の初飛行ミッション「ZQ 3 Y1」を実施した。この打ち上げは、中国の商業宇宙分野における軌道投入能力を持つ再利用型ロケットの実現に向けた初の試みとして注目されていた。打ち上げは内モンゴル自治区の酒泉衛星発射センターから正午に行われ、中国の商業宇宙産業における重要な一歩を示した。

北京を拠点とするLandSpace社は、2015年に張昌武氏によって設立され、2023年7月にはZQ 2ロケットでメタン推進による世界初の軌道打ち上げを達成している。今回打ち上げられたZQ 3ロケットは、全長66.1メートル、直径4.5メートル、離陸時質量約570トンという規模を持ち、離陸時には750トンを超える推力を発生させる能力を有する。この性能は、中国のインターネット衛星ネットワーク計画を支える低軌道（LEO）および太陽同期軌道（SSO）への重衛星投入を可能にするポテンシャルを持つ。

今回のミッションの主要な成果として、ロケットの第2段は搭載された質量シミュレーターを所定の軌道に無事投入することに成功した。これは、将来の再利用技術検証に必要なデータを収集する上で極めて重要なマイルストーンと見なされている。しかしながら、飛行のもう一つの核心的な目標であった第1段ブースターの回収は達成されなかった。飛行データによれば、第1段は甘粛省上空で空中分解し、軟着陸の試みは頓挫した。LandSpace社は、この失敗の原因を回収プロセス中の異常燃焼に帰属させている。

ZQ 3ロケットは、推進システムに革新的なメタンエンジンを採用しており、第1段には9基のTQ-12Aエンジン、第2段には1基のTQ-15Aエンジンが搭載されている。推進剤タンクには強度、耐食性、コスト効率の観点からステンレス鋼が戦略的に採用された。また、将来の制御された着陸のために、第1段には4枚のグリッドフィンと4本の着陸脚が装備されていた。この再利用技術の追求は、SpaceX社のFalcon 9が達成した成果に匹敵するものとして国際的に認識されており、中国の宇宙競争力強化の一環と見なされている。

中国の商業ロケット打ち上げ市場は急速に発展しており、2023年には商業ロケット打ち上げが26回実施され、成功率は96%に達した。再利用型ロケットの開発は、GuowangやQianfanといったメガコンステレーション計画への打ち上げ契約獲得を期待されており、打ち上げコストの削減が衛星事業者にとって大きな推進力となる。今回の第2段の成功は、第1段の回収という最終目標には至らなかったものの、中国の民間宇宙企業が軌道投入能力と再利用技術の実証という二つの重要な要素を同時に追求している姿勢を明確に示した。