NASAが確認:三峡ダムの巨大貯水量が地球の自転に与える影響

編集者: Tetiana Martynovska 17

長江の三峡ダムは、人類が作った構造物の中で最も重いものの1つです。高さは約185メートルで、長さは約2.3キロメートルに及びます

NASAによる研究検証の結果、中国・湖北省に位置する巨大な三峡ダムの貯水量が、地球の自転ダイナミクスに定量的な影響を及ぼしていることが確定しました。この現象は、回転する物体の質量分布が変化した際に回転速度が変わるのと同じく、角運動量保存の法則によって支配されています。満水時、このダムの貯水池には、特定の地理的領域に集中した約40立方キロメートル、すなわち400億トンの水が蓄えられます。

私たちは、惑星の自転を文字どおり遅らせるほど巨大な構造を作りました

この質量移動が地球に及ぼす影響を定量化したのは、NASAゴダード宇宙飛行センターの地球物理学者であるベンジャミン・フォン・チャオ博士です。2005年の彼の分析によれば、この膨大な水塊の再配置により、地球の一日が約0.06マイクロ秒延長される可能性があると示唆されました。また、この質量変化は地球の自転軸にも対応する変位を引き起こし、その量は約2センチメートルと推定されています。これらの変化は日常生活では感知できないものの、高精度な地球物理学的および天体物理学的測定においては重要な意味を持ちます。

三峡ダムは中国のエネルギーインフラの礎石であり、現在、同国の総エネルギー需要の約3%を供給しています。これは標準的な原子力発電所15基分の合計出力を超える規模です。この構造物は長江に架かり、幅は2,335メートル、海抜からの高さは185メートルに達します。建設期間17年を要し、その費用は204億ドルから370億ドルと見積もられています。この事実は、いかに大規模な人為的構造物が惑星の力学に影響を与え得るかを示す好例です。

地球の自転に対するこうした人間の影響は、極地の氷床融解による質量損失といった自然現象による影響とは対照的です。氷床の融解は惑星の質量を赤道付近に移動させ、過去1世紀で最速のペース、すなわち100年あたり約1.33ミリ秒という速度で一日の長さを引き延ばしています。三峡ダムの影響は、月の潮汐摩擦が1世紀あたり約2ミリ秒一日の長さを引き延ばすといった自然の力と比較すれば微々たるものですが、地球物理学的な理解のための重要なデータ点となります。

比較として、2004年のスマトラ島沖地震では、その質量移動により一日の長さが2.68マイクロ秒短縮されました。これはダムによる寄与よりも遥かに大きな影響です。しかし、地球規模でのダムの累積的な影響については、数十年にわたり地球の自転軸を約1メートル近くずらした可能性があるという研究結果が『Geophysical Research Letters』誌に掲載されています。

三峡ダムが最大400億立方メートルの水を保持するその途方もない規模ゆえに、その具体的な寄与は、巨大な人間活動によるインフラと惑星の地球物理学的安定性との相互関連性を理解する上で焦点となっています。さらに、この貯水池の重量は、2000年から2024年の間に記録された3万件以上の小規模地震に見られるように、四川省西部における地震活動の増加とも関連付けられています。これは貯水池誘発性の地震活動によるものです。

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ソース元

  • GIZMODO JAPAN(ギズモード・ジャパン)

  • Sustainability Times

  • Record China

  • ライブドアニュース

  • ScienceDaily

  • Telegrafi

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