2026年1月3日土曜日、ドナルド・トランプ米大統領は、ソーシャルメディア「Truth Social」を通じて、米国特殊部隊がベネズエラで大規模な軍事作戦を成功裏に実行し、ニコラス・マドゥロ大統領夫妻を拘束、国外へ移送したと発表した。この作戦は「オペレーション・サザンスピア」とされ、米国の法執行機関も作戦に関与した模様である。作戦開始はベネズエラ時間午前2時頃とされ、首都カラカスでは複数の爆発が報告され、低空飛行する航空機が目撃された。この軍事行動は、2025年8月から強化されていた麻薬密売対策を名目とした米国のカリブ海地域における軍事プレゼンスの延長線上にあると見られている。
米国政府高官は、今回の行動の根拠として、マドゥロ大統領に対する過去の麻薬テロリズム共謀罪での起訴を挙げた。パメラ・ボンディ米国司法長官は、マドゥロ夫妻がニューヨーク州南部地区において、麻薬テロリズム共謀、コカイン密輸共謀、および米国に対する銃器所持・共謀の罪で起訴されたと明言し、米国の法廷で裁きを受けることになるだろうと述べた。マドゥロ大統領に対する2020年の起訴状は、コロンビアのゲリラ組織FARCとの共謀によるコカイン・武器密輸疑惑を巡るものであり、今回、夫妻に対する新たな起訴状が提出されたことが示唆されている。トランプ政権は、マドゥロ氏が「太陽のカルテル」と呼ばれる麻薬密売組織を率いていると非難し、2025年8月には情報提供の懸賞金を5000万ドルに倍増させていた。
国際社会の反応は即座に二分された。アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領はこの拘束を歓迎する姿勢を示したが、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領はこれを「ベネズエラとラテンアメリカの主権に対する攻撃」と強く非難し、隣接する国境地帯に軍を展開させた。キューバのミゲル・ディアス=カネル大統領や、ロシア、イランといったマドゥロ政権の主要な同盟国は、主権侵害および国連憲章違反であるとして軍事行動を断固として非難した。特にロシア外務省は「容認できない主権侵害」と表明し、即時釈放を要求した。一方、EUのウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長らは、マドゥロ氏の正統性を認めない立場を維持しつつも、国際法遵守と自制を呼びかけた。
米国国内では、この一方的な軍事行動を巡り政治的な亀裂が表面化した。共和党のマルコ・ルビオ米国務長官はマドゥロ氏の正統性を否定し、拘束の成功を擁護した。これに対し、民主党議員の一部からは、政権交代の意図について議会への説明が不十分であるとして、戦争の合憲性について疑問を呈する声が上がった。ベネズエラ政府は非常事態を宣言し、国防大臣ウラジミール・パドリーノ・ロペス氏は民間居住区への攻撃があったと主張、デルシー・ロドリゲス副大統領は夫妻の「生存証明」を要求した。この事件は、1989年のパナマ侵攻によるマヌエル・ノリエガ元将軍の逮捕以来、米国によるラテンアメリカへの最も直接的かつ大規模な軍事介入として歴史的に位置づけられ、国際的な権力政治の新たな局面を示唆している。



