Expedition 73/74 指揮権移譲式
国際宇宙ステーション、第73次から第74次への指揮権移譲を完了
編集者: Tetiana Martynovska 17
2025年12月7日、国際宇宙ステーション(ISS)において、第73次長期滞在(Expedition 73)の公式な終結と第74次長期滞在(Expedition 74)の開始を告げる指揮権の移譲式が執り行われた。この儀式は、軌道上の施設内で現地時間午前10時30分(東部夏時間)に予定され、ロスコスモス所属のセルゲイ・リジコフ司令官から、NASAの宇宙飛行士マイク・フィンケ氏へISSの運用責任が正式に引き継がれた。この交代は、リジコフ司令官が率いたクルーによる約8ヶ月間の集中的な科学研究とステーション維持活動の完了を意味する。
ISS Expedition 74 指揮権交代式。Ryzhikov は ISS の指揮権を Fincke に引き渡します
リジコフ司令官、アレクセイ・ズブリツキー飛行エンジニア(ロスコスモス)、およびジョニー・キム飛行エンジニア(NASA)の3名で構成されたソユーズMS-27搭乗員は、翌12月8日月曜日の午後8時41分(東部夏時間)にISSのプリチャルモジュールからドッキングを解除する予定である。彼らは約245日間のミッションを終え、地球帰還の途につく。このミッション期間中、彼らは地球を約3,920周周回し、総航続距離は約1億400万マイルに達した。帰還するクルーは、12月9日火曜日の午前0時04分(東部夏時間)にカザフスタンのジェズカズガン南東の草原地帯に着陸する見込みである。
クルーの経験値には明確な違いが見られる。キム飛行エンジニアとズブリツキー飛行エンジニアにとっては宇宙での初飛行であったのに対し、リジコフ司令官は今回が3度目の宇宙飛行となるベテランである。一方、新体制となる第74次長期滞在を率いるフィンケ氏は今回で4度目の宇宙飛行となるベテラン宇宙飛行士であり、ISSの指揮を執ることは彼にとって新たな責務となる。このミッションの最終準備として、リジコフ氏とズブリツキー氏は金曜日にソユーズMS-27宇宙船内での貨物および私物のパッキング作業を完了させていた。
クルーの入れ替えに伴い、ISS上では多岐にわたる科学的・運用的な活動が並行して進行した。NASAのクリス・ウィリアムズ飛行エンジニアは、ジョニー・キム氏のヘルメット取り付け作業を支援した後、Zena Cardman飛行エンジニアの監督下で、微小重力環境における自身の網膜反応をテストする実験に参加した。また、第74次長期滞在のメンバーであるセルゲイ・クド・スヴェルチコフ氏とセルゲイ・ミカエフ氏は血圧測定や微生物サンプルの採取を実施し、JAXAの油井亀美也飛行士は小型衛星を放出後にNanoRacks CubeSatデプロイヤーの取り外し作業を完了させた。
ISSの運用は国際的な協力体制によって支えられており、このステーション計画は1984年にロナルド・レーガン大統領によって構想された経緯を持つ。現在、ISSは計画された運用期間の最終5年間に入っており、NASAとその国際パートナーは2030年頃を目処に意図的な軌道離脱を計画している。この軌道離脱の際には、スペースX社が最大8億4300万ドルの契約で開発した米国軌道離脱機(USDV)が、ステーションを太平洋の無人海域へ誘導する役割を担う。指揮権の円滑な移譲は、将来的な計画の節目を前に、軌道上の研究活動の継続性を保証する上で極めて重要である。
ソース元
SpaceDaily
NASA
SpacePolicyOnline.com
NASA
ISS EXPEDITION 74 - SPACEFACTS
NASA
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