ガリレオL14ミッション、2025年12月にアリアン6で初世代衛星2機を打ち上げへ

欧州の衛星測位システムであるガリレオ計画は、2025年12月17日に重要な運用段階を迎える。この日、ガリレオL14ミッションとして、初世代衛星であるSAT 33号機とSAT 34号機の2機が、フランス領ギアナのヨーロッパ宇宙センターからアリアン6ロケットで打ち上げられる予定だ。このミッションは、ガリレオ計画における14回目の運用打ち上げとなり、欧州の自律的な宇宙アクセス能力を確固たるものにする上で極めて重要である。

打ち上げには、2基のブースターを備えたアリアン62構成が採用される。これは2024年の初飛行以来、すでに成功を収めている構成である。これらの衛星は、現在軌道上にある27機の稼働中の衛星群に加わり、中地球軌道（MEO）の高度23,222 kmで運用されることになる。欧州宇宙機関（ESA）は、この展開の目的がコンステレーションの精度、可用性、および運用上の堅牢性を一層強化することにあると述べている。衛星の調達と準備はOHBが欧州委員会を代表して担当し、打ち上げサービスはアリアン・スペースが担う。衛星の分離は打ち上げから3時間55分後に行われ、その後、徐々に運用軌道へと移行する。

このL14ミッションは、ガリレオ衛星を新しいアリアン6ヘビーリフトロケットで打ち上げる初の事例となる。アリアン6は、欧州の宇宙能力と自律性の証であり、そのモジュラー設計により、政府および商業顧客に対し、低コストで柔軟な宇宙アクセスを提供するよう開発された。今回のミッションで使用されるアリアン62は、2基の固体ロケットブースターを装備する構成である。この打ち上げは、2025年11月に予定されているコペルニクス・センチネル-1D地球観測衛星の打ち上げに続き、アリアン6の4回目の商業飛行となる見込みである。

ガリレオシステムは、欧州連合（EU）が資金提供し、所有する初の共同インフラであり、世界中の何十億ものユーザーに高精度の測位、航法、およびタイミングサービスを提供している。2025年7月にはオープンサービスナビゲーションメッセージ認証（OSNMA）が運用可能となった。2025年4月には、12年間のサービスを終えた最初のガリレオ衛星が退役しており、今回の予備衛星の追加は、システムの継続的な信頼性を保証する上で重要である。2025年9月現在、32機のガリレオ衛星が打ち上げられているが、そのうち27機が稼働中である。

L14ミッションの後、さらに4機の初世代衛星が打ち上げられる予定であり、その後、技術的に進んだ第2世代衛星の展開が始まる。第2世代衛星は、デジタルペイロード、電気推進、衛星間リンクといった機能を備える予定であり、欧州の衛星航法におけるリーダーシップを強化する戦略的な一歩となる。ESAは、製造業者OHBと協力し、ガリレオ構想以来38機の衛星を開発・試験してきた。打ち上げ後、アリアン6の上段ステージは、運用衛星との衝突リスクを避けるため、墓場軌道へと移行する措置が取られる。この一連の展開は、航空、海上交通、農業、緊急サービスなど、クリティカルな分野を支えるガリレオのレジリエンスを固めるものである。