IHI-SAT2超小型衛星、森林炭素分析ミッションのため軌道投入に成功

編集者: Tetiana Martynovska 17

将来の IHI コンステレーション用ハイパースペクトル衛星が打ち上げられました

株式会社IHIが開発した超小型のハイパースペクトル衛星「IHI-SAT2」は、2025年11月28日に無事、軌道への投入を完了し、双方向通信の確立を確認しました。この衛星は、スペースX社のトランスポーター-15ライドシェアミッションに搭載され、カリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙軍基地にある発射施設4E(SLC-4E)から打ち上げられました。打ち上げに使用されたのは、飛行実績のあるファルコン9の第1段ブースターB1071であり、今回で30回目の飛行を達成した後、太平洋上のドローン船「Of Course I Still Love You」に着陸・回収されました。このミッションにより、合計140のペイロードが太陽同期軌道に投入され、IHIが高度なハイパースペクトル観測とデータ処理における自律能力を拡大する上で、重要な一歩となりました。

日本のIHIは大きな野心を抱えた小さな衛星を打ち上げました。サイズはわずか30×20×10 cmで、このミニチュア衛星には複数の波長の光を分析できるハイパースペクトルカメラが搭載されています。

IHI-SAT2の主要な運用目的は、多様な陸域における高解像度のハイパースペクトル画像の収集であり、これはネクストフォレスト株式会社が管理する森林管理プロトコルを直接的に支援するものです。ネクストフォレストは、IHIと住友林業株式会社が2023年2月7日に設立した戦略的な合弁事業です。この衛星は、従来の観測プラットフォームに付随するミッション費用を削減しつつ、包括的なスペクトルデータセットを提供できるように設計されています。さらに、IHI-SAT2から得られる運用上の専門知識は、IHIの今後の衛星ベースデータサービス群への統合が予定されており、本機は同社の将来的な地球観測コンステレーションの基盤要素としての位置づけとなります。

衛星に搭載されたハイパースペクトルセンサーは、特定の樹種を微細なレベルで識別することを可能にし、生育状況や病害の初期兆候を正確に評価できます。このレベルのスペクトル解像度は、ペイロードが多数の狭い波長帯域にわたって光を測定するため、従来の光学撮像システムを上回る分析能力を発揮します。このようなきめ細かなデータは、様々な植生タイプを正確に区別し、森林全体の健康状態の微妙な変化を検出するために不可欠です。これは、熱帯泥炭地の管理に関するコンサルティングや、正確なCO2吸収量の測定を通じた高品質な炭素クレジットの商業化を含む、ネクストフォレストの使命に直結するものです。

リトアニア共和国に本社を置くコングスバーグ・ナノアビオニクス社は、同社の6U CubeSatバスプラットフォームを基盤とした完全な小型衛星ソリューションを提供しました。この納入には、IHIが選定したハイパースペクトルペイロードの統合に加え、厳格な試験、打ち上げ準備ロジスティクス、および初期軌道運用における支援が含まれます。今回の成功により、コングスバーグ・ナノアビオニクス社は、打ち上げられた50以上の衛星ミッション全てにおいて、初回の通信確立を達成するという記録を継続しています。M6Pバスは地球観測における飛行実績があり、ナノアビオニクス社によると、ミッションの全寿命における成功率は94.44%に達しており、これは業界平均の72.69%を上回る水準です。

IHIの航空宇宙・防衛事業分野に所属する朝倉良文氏は、今回のミッションは、複雑なハイパースペクトルデータを独自に取得・分析する社内能力を加速させるものであり、森林管理と炭素クレジット検証のための持続可能なエコシステム構築における節目であると述べました。一方、コングスバーグ・ナノアビオニクス社のCEOであるアトル・ウォロ氏は、産業界が小型衛星を、地球上で具体的かつデータに基づいた価値を生み出すための戦略的手段として活用する傾向が強まっている点を強調しました。IHIの宇宙由来情報への広範なコミットメントには、ICEYE社とのSARコンステレーション、およびSatVu社との熱赤外線コンステレーションの開発も含まれており、多領域にわたる地球観測ネットワークの構築を目指しています。

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ソース元

  • SpaceDaily

  • IHI Corporation

  • IHI SAT2 hyperspectral CubeSat enters orbit to support forest monitoring and carbon data

  • Successful launch of hyperspactral satellite for Japan's IHI Corporation's future constellation

  • Another satellite built by “Kongsberg NanoAvionics” has reached space – to monitor forest health and support the development of green credits - The Hanseatic

  • Another satellite built by “Kongsberg NanoAvionics” has reached space – to monitor forest health and support the development of green credits | Lithuania

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