テレグラムの創設者であるパベル・ドゥロフ氏は、自身の個人的な富と贅沢なライフスタイルは、メッセージングプラットフォームであるテレグラムが生み出す収益ではなく、初期のビットコイン投資によって支えられていたことを明らかにしました。ドゥロフ氏は2013年に1ビットコインあたり約700ドルで購入した数千ビットコインを保有し続けており、この初期投資が彼の生活を支える手段となりました。テレグラムは10年以上にわたり赤字運営でしたが、ドゥロフ氏は個人的にそれを補填し、2024年にプレミアムサブスクリプションを通じて黒字化を達成しました。
ドゥロフ氏は、ビットコインが政府による没収や政治的検閲に強いという信念から、ビットコインを「お金のあるべき姿」と考えていると述べました。2013年のビットコイン購入は、数百万ドルを投じたとのことです。価格が200ドル以下に下落した際も、彼は売却せず、「このものを信じている」と語りました。この初期投資は、テレグラムがデータ収益化を避けるプライバシー重視のビジネスモデルを維持する間、ドゥロフ氏の生活を支える手段となりました。
テレグラムは、2024年に1500万人以上の有料加入者と5億ドル以上の収益を達成し、初めて黒字化を記録しました。Financial Timesによると、2024年のテレグラムの収益は14億ドル、純利益は5億4000万ドルで、これが同社にとって初の黒字化の年となりました。2023年には、テレグラムは1億7300万ドルの損失を計上していました。これは、同社が長年、ユーザープライバシーと独立性を最優先し、収益性よりも優先してきた姿勢の表れです。ドゥロフ氏は、ビットコインが100万ドルに達する可能性があると予測しており、その予測は政府による通貨発行への懸念に基づいています。2025年10月までに、ビットコインの価値は数億ドルに達する可能性があり、175万ドルで購入した約2500ビットコインは2億3700万ドル以上の価値を持つと推定されています。彼は、ビットコインの予測可能なインフレ率と供給上限を、法定通貨に対する強みとして挙げています。
また、ドゥロフ氏は、テレグラムが当初開発に関わったブロックチェーンプロジェクト「The Open Network(TON)」についても言及しました。TONは、2018年にドゥロフ兄弟によって立ち上げられましたが、2020年に米国証券取引委員会(SEC)との法的な問題により、テレグラムはプロジェクトから撤退しました。その後、コミュニティによって開発が引き継がれ、現在はToncoin(TON)として知られています。2024年4月には、TONはテザー(USDT)を統合し、国境を越えた決済におけるその役割を強化しました。現在、TONネットワークには800以上の分散型アプリケーションがホストされており、時価総額は130億ドルを超え、トップ10のブロックチェーンにランクインしています。