2025年9月13日から14日にかけての夜間、ウクライナの特殊作戦軍および無人システム軍は、ロシアのレニングラード州キリシにあるキリシネフテオルグシンテズ(KINEF)製油所に対し、無人機による攻撃を実行しました。この製油所はロシア最大級の石油精製施設の一つであり、年間約2,000万トンの原油処理能力を有しています。
レニングラード州のアレクサンドル・ドロズデンコ知事によると、ロシアの防空システムはキリシ近郊で3機の無人機を迎撃しました。撃墜された無人機の破片が製油所に落下し火災が発生しましたが、その後鎮火されました。この一件による負傷者は報告されていません。
ウクライナ軍参謀本部も攻撃を認め、キリシ製油所がロシア有数の石油精製業者であり、自動車用ガソリン、ディーゼル、航空燃料などの主要燃料を含む約80種類の石油製品を生産していることを強調しました。同施設はロシア軍への燃料供給にも関与しています。
この攻撃は、ロシアのエネルギーインフラを標的とするウクライナの広範な作戦の一環であり、ロシアの経済力を弱体化させ、軍事作戦への燃料供給能力を制限することを目的としています。過去には、ウクライナによるロシアの石油・ガス施設へのドローン攻撃が増加しており、2025年1月にはロシアの主要製油所の約17%に相当する処理能力が影響を受けたと報じられています。
キリシ製油所はスルグトネフチガスが運営しており、年間約1,770万トンの原油を処理しており、これはロシアの総精製能力の約6.4%に相当します。この出来事は、両陣営が重要インフラを標的とする戦術を高度化させる中で、紛争のエスカレーションを示すものと言えます。ロシアのエネルギーインフラへの攻撃は、同国の経済基盤に影響を与えるだけでなく、国際的なエネルギー市場にも波紋を広げる可能性があります。