ナレンドラ・モディ首相は、2025年8月31日から9月1日にかけて中国の天津で開催された第25回上海協力機構（SCO）首脳会議において、協力とグローバルアフェアーズにおけるインドの役割に焦点を当てた演説を行いました。同首相は、テロリズムに対する断固たる姿勢を表明し、その支援に対する「二重基準」を非難しました。特に、2025年4月22日にパハルガム近郊で発生したテロ攻撃に言及し、テロリズムは人類全体に対する共通の課題であると強調しました。
会議では、テロ資金調達や過激化に対する協調行動の必要性が訴えられました。モディ首相は、パハルガムでのテロ攻撃に対する加盟国の連帯に感謝の意を表し、テロリズムへの対応において二重基準は許容されるべきではなく、国境を越えたテロリズムを実行し支援する国々を説明責任に問うべきだと主張しました。インドは、SCOの地域対テロ構造（RATS）の下で、アルカイダとその関連組織に対する共同情報キャンペーンを主導するなど、テロ対策で主導的な役割を果たしてきたと述べました。
さらに、モディ首相はコネクティビティの重要性を強調し、チャバハール港や国際南北輸送回廊のようなプロジェクトへのインドの強い支持を表明しました。また、スタートアップ、イノベーション、若者、共有された遺産といった分野での機会についても言及し、SCOの枠組みの下でこれらを追求すべきだと述べました。人々とのつながりを深めるため、SCO内に文明対話フォーラムを設立することを提案しました。
インドは「改革、実行、変革」というモットーで前進しており、課題を機会に変えるよう努めていると述べました。同首相は、SCOが多国間主義と包括的な世界秩序を促進する上で指導的な役割を果たせると信じており、国連改革を求めることも提案しました。これは、グローバルサウスの願望を時代遅れの枠組みに閉じ込めることは、将来の世代に正義を否定することになるとの考えに基づいています。
キルギスが2025年から2026年の任期でSCOの議長国を引き継ぐことが確認されました。キルギス大統領は、貿易、投資、輸送、持続可能な観光における協力を強化し、人道的側面にも配慮する意向を表明しました。また、デジタル変革とグリーン移行が競争力と持続可能な開発の推進力となることに言及しました。
会議では、SCO開発戦略の採択や、組織の法的・制度的枠組みを強化するためのいくつかの重要な文書への署名が期待されていました。テロリズム、分離主義、過激主義との戦いにおけるSCOの役割は、地域における安全保障と安定を確保するための重要な要素として再確認されました。SCOの地域対テロ構造（RATS）は、テロ活動の防止、特定、抑止、捜査において、加盟国間の協力の有効性を示しており、過去には計画段階のテロ攻撃を阻止し、テロ関連犯罪を回避する上で重要な役割を果たしてきました。2011年から2015年の間に、RATSの調整の下で、加盟国の当局は20件のテロ攻撃を計画段階で阻止し、650件のテロ・過激派関連犯罪を回避し、440件のテロ訓練キャンプと1,700人の国際テロ組織メンバーを無力化しました。これは、SCOがテロリズムとの戦いにおいて、具体的な成果を上げていることを示しています。