SpaceXは9月10日、米宇宙開発庁(SDA)のTranche 1輸送層ミッションの一環として、21基の衛星を低軌道(LEO)へ向けて打ち上げました。SpaceXのFalcon 9ロケットは、カリフォルニア州バンデンバーグ宇宙軍基地から太平洋時間午前7時12分(東部時間午前10時12分)に離陸しました。この打ち上げは、米軍の衛星通信能力における重要な進歩を示すものです。
Tranche 1輸送層は、SDAの「Proliferated Warfighter Space Architecture(PWSA)」の主要コンポーネントです。PWSAは、グローバルな通信アクセスを提供し、永続的な地域暗号化接続を可能にするために計画されている、LEOにおける多数の小型衛星のネットワークです。打ち上げられた21基の衛星は、衛星製造を専門とするデンバー拠点のYork Space Systemsによって製造されました。York Space Systemsは、Northrop GrummanおよびLockheed Martinと共に、この輸送層の最初のトランシェのためにそれぞれ42基の宇宙船を製造する契約を結んでいます。同社は年間数百基の衛星を製造する能力を拡大しており、このミッションは同社の量産能力を実証するものです。
打ち上げ後、Falcon 9の第1段は太平洋上に展開された「Of Course I Still Love You」ドローン船に着陸しました。このミッションは、B1093として指定されたこの特定のブースターにとって6回目の飛行となりました。SDAは2019年3月に設立され、国防総省のために費用対効果の高い宇宙ベースの能力を迅速に開発・展開するという使命を担っています。
Tranche 1輸送層は、PWSAにおける最初の運用ネットワークであり、新しい衛星の「トランシェ」を打ち上げることで、コンステレーションを2年ごとに更新・更新する計画です。この打ち上げは、米軍の宇宙ベースの通信およびミサイル追跡能力を強化するSDAの取り組みにおける重要な節目であり、より回復力があり応答性の高い防衛インフラストラクチャに貢献します。PWSAは、2027年までに地域的な持続性、高度なミサイル追跡および早期警戒、そして視線外ターゲティングなどの機能を提供する予定です。