Amazon Prime Air、テキサス州リチャードソン、サンアントニオ、ウェーコへドローン配送網を拡大

Amazonは、同社のドローン配送サービスPrime Airの展開地域を、テキサス州内のリチャードソン、サンアントニオ、ウェーコへと拡大する方針を打ち出した。この拡大は、2024年5月に連邦航空局（FAA）から目視外飛行（BVLOS）に関する重要な承認を得たことで大きく後押しされている。従来、ドローンによる荷物配達には操縦者が常にドローンの視界内に収めておく「目視」が義務付けられていたため、サービス提供エリアは限定的であった。

Amazonが長年にわたり強化してきた障害物検知・回避技術を搭載したシステムがFAAの厳格な安全基準を満たした結果、この制約が緩和され、より広範な地域へのサービス展開が可能となった。このFAAからの認可は、AmazonがBVLOS機能の実現に向け、広範な分析とテストデータを提出し、実際の航空機との近接飛行デモンストレーションを含む厳しい要件をクリアしたことを示している。この技術的進歩により、2024年後半にはドローン配送がAmazonの配送ネットワークに本格的に統合され始め、一部地域では様々な商品の当日配達が実現する見込みである。

Prime Airプログラムは2013年に発表されて以来、30分以内の配達を目標に掲げ、技術開発と改良が継続されてきた。現在、同社はMK27-2ドローンを使用しているが、今後は新型のMK30ドローンを導入する予定である。MK30は、従来モデルよりも静音化、小型化、軽量化されており、雨天時でも飛行可能で航続距離が約2倍に伸びているとされている。この新型機は、障害物検知・回避技術を搭載し、安全性を高めている。

このサービスでは、重さ5ポンド（約2.2kg）以下の商品が対象となり、家庭用品や日用品などが、一部の当日お急ぎ便拠点からドローンで迅速に届けられる。リチャードソンでは、3051 Research Driveの倉庫から8マイル圏内の住民が対象となり、サンアントニオやウェーコでもサービスが開始されている。物流業界全体が配送人材不足などの課題に直面する中で、Amazonのドローン配送の進展は、次世代のロジスティクスモデル構築における重要な一歩と見なされる。

FAAのPart 135航空運送業者認証を2020年8月に取得して以来、Amazonは段階的にサービスを拡大しており、アリゾナ州フェニックスメトロエリアのウェストバレーや、既存の展開地域であるテキサス州カレッジステーションなどと連携しながら、新たなテキサス州の都市への展開を進めている。BVLOS技術の導入は、Amazonが規制当局の承認を得て、新しい施設と目視外機能を備えたドローンサービスを同時に開始した企業の一つとなることを意味し、業界における技術的優位性を示している。