ケララ州カスラルゴッド地区で、すべての小学校および低学年学校を対象とした朝食プログラムが新たに導入されました。この取り組みは、生徒たちが空腹を感じることなく学習に集中できるよう支援し、特に部族の生徒たちの教育継続を促進することを目的としています。
現在、パンチャヤット（地方自治体）からの資金提供により、約500人の生徒が6つの学校でこのプログラムの恩恵を受けています。提供されるメニューは、イドゥリ・サンバルやウプマといった栄養価の高い食事で、一部の学校では牛乳や卵も毎日提供されています。このプログラムは、学校中退率の低下に寄与すると期待されており、ケララ州が進める児童栄養と教育に関する広範な目標達成に向けた重要な一歩となります。また、他の地方自治体による同様のプログラム導入を促す可能性も秘めています。
ケララ州は、教育へのアクセスを確保するため、部族コミュニティを中心に様々な支援策を実施しています。モデル住宅学校の開設、奨学金の支給、職業訓練センターの設置などがその例です。2024-25年度には、約750人の生徒が奨学金制度を利用する見込みです。さらに、部族の学生が高等教育に進むためのラップトップ提供も進められており、デジタルデバイドの解消を目指しています。
朝食プログラムは、子どもたちの栄養状態を改善し、学習への集中力を高める効果が期待されています。インド全土で実施されている昼食提供プログラム（Mid-Day Meal Scheme）に関する研究では、学校への出席率や定着率の向上、中退率の低下に肯定的な影響があることが示されています。タミル・ナードゥ州で実施された同様の朝食プログラムでは、生徒の出席率が90%から95%に増加したという報告もあり、ケララ州のプログラムも同様の効果をもたらすことが期待されます。
イドゥリ・サンバルやウプマは、栄養価が高く消化にも良いとされています。イドゥリは低カロリーでタンパク質や食物繊維を含み、サンバルは多様な野菜から作られビタミンやミネラルが豊富です。これらの食事は、子どもたちの成長に必要な栄養を供給し、健康的な食生活を促進します。特に部族の生徒たちにとって、栄養バランスの取れた食事は学習能力の向上に不可欠です。
この朝食プログラムは、経済状況に関わらず、すべての子どもたちが平等に教育を受ける機会を得られるようにするための重要な一歩です。学校で学び成長できる環境を整えることは、地域社会全体の発展につながります。この取り組みがケララ州全体、さらにはインド全土に広がることを期待します。