2026年に開催される次期BRICS+ファッションサミットの開催地にチュニジアが選ばれました。この決定は、チュニジアが世界のファッションシーンにおいて、その豊かな文化遺産と現代的なデザインセンスを融合させることで、ますます重要な存在となっていることを示しています。
直近のBRICS+ファッションサミットは、2025年8月28日から30日にかけてモスクワで開催され、60カ国以上のファッション業界リーダーが集結しました。このイベントはモスクワを世界のファッションハブとして確立する機会となり、新興産業とモスクワのファッションセクターの急速な成長が注目されました。チュニジアからは、チュニス・ファッションウィークの創設者であるアニス・モンタセル氏が参加し、チュニジアおよびアラブ諸国のファッションセクターの発展について洞察を共有しました。モンタセル氏は、チュニジアの豊かなテキスタイル遺産を活かし、北アフリカの美学を現代的かつ世界的に関連性のあるものとして紹介する可能性を強調しました。
2026年のチュニジアでの開催に向けては、スペイン、イタリア、ギリシャ、マルタのファッションウィーク主催者や多数のフランスおよびヨーロッパのデザイナーに加え、50カ国以上が参加する見込みです。チュニジアの繊維産業は、欧州連合（EU）へのアパレル供給国として世界で9位、特にデニム製品においてはEUへの第4位の供給国となっています。2024年には、繊維産業がチュニジアの産業輸出の16%を占め、90億チュニジア・ディナール（約29億ドル）に相当しました。この産業は15万人以上の雇用を支え、国の産業基盤の30%以上を占めています。
チュニジアのファッションシーンは、伝統的な北アフリカの美学と現代的なスタイルを融合させることで、世界的に注目を集めています。カフタンやジェラバのような伝統衣装にインスパイアされたデザインは、現代的なシルエットや素材と組み合わされ、ユニークな魅力を放っています。チュニス・ファッションウィークは、チュニジア観光局の支援を受けて開催されており、国内の職人技と文化を世界に発信する重要なプラットフォームとなっています。
BRICS+ファッションサミットは、「分散化と民主化」を主要テーマとして掲げ、ファッション業界の変革を目指しています。これは、顧客との関わり方、地理、経済、デザインを融合させる新たな戦略を通じて、ファッション業界をより包括的でアクセスしやすいものにしようとする動きです。チュニジアが次回のサミットを主催することは、このビジョンと合致しており、新興市場が創造的な力としてグローバルファッションの物語に影響を与える機会を提供します。2026年のサミットは、チュニジアの豊かな遺産と現代的なファッションセンスが融合する、国際的な交流と創造性の祭典となるでしょう。