米国軍は、カリブ海南部でベネズエラを出港した麻薬運搬船に対し、「致死的攻撃」を実施したことを確認しました。この作戦は、指定された麻薬テロ組織が運営する船舶を標的としたもので、米国によるラテンアメリカの麻薬カルテル対策の一環として、同地域における海上プレゼンスを強化する取り組みの一環です。
米国は、USSサンアントニオ、USSアイオワ・ジョージ・ブッシュ、USSフォートローダーデールを含む7隻の艦船に加え、原子力空母と4,500名以上の兵員を派遣しています。情報収集のためにP-8哨戒機も活用されています。
これに対し、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、部隊展開の増強と民兵の募集を呼びかけ、米国が政権転覆を狙って麻薬密輸の物語を捏造していると非難しています。米国側は、ベネズエラへの地上作戦の意図はないと表明しています。
この事態は、米国がラテンアメリカの麻薬カルテル対策を強化する中で発生しました。特に、米国はベネズエラの「太陽のカルテル」と呼ばれる組織を外国テロ組織に指定し、マドゥロ大統領自身も麻薬密輸の容疑で訴追されています。米国はマドゥロ大統領の逮捕につながる情報に5,000万ドルの懸賞金をかけています。
マドゥロ大統領は、米国の軍事行動はベネズエラ政府を不安定化させるための口実であり、地域における「100年間で最大の脅威」であると主張しています。同国は、沿岸部とコロンビア国境沿いに部隊を展開し、国民に民兵への参加を呼びかけています。しかし、米国はベネズエラ領土への地上作戦の計画はないと明言しています。
この一連の出来事は、地域における緊張を高めており、今後の展開が注目されます。