ビクトリア州の海岸で発見された19世紀末から20世紀初頭の謎の難破船
編集者: Ирина iryna_blgka blgka
オーストラリアのビクトリア州において、バス海峡沿岸で稀な考古学的発見がありました。激しい嵐による高潮と波浪の後、オーシャン・グローブとポイント・ロンズデール間の海岸線に、古い木造船の残骸が出現したのです。長年にわたり、貝殻や陶器の破片などの小さな漂着物を集め、沿岸の変化を観察してきた地元住民にとって、これほどの歴史的価値を持つ発見は全くの予想外でした。
この写真には、砂の中から斜めに突き出している木材の一部が見えます。写真: John Murray / The Guardian
この船の断片に最初に気づいたのは地元の住民でした。砂の中から突き出た木材が、通常の漂着物とは明らかに異なる不自然な角度を示していたためです。彼らはすぐにクイーンズクリフ海洋博物館のボランティアに連絡を取りました。ボランティアは迅速に座標と写真資料をヘリテージ・ビクトリア(Heritage Victoria)に転送しました。
その翌月曜日には、同機関の海洋考古学者が現場を訪れ、調査を実施しました。その結果、これはこれまで知られていなかった新しい難破船であると正式に確認されました。ビクトリア州の海域では、約660件の歴史的な難破船が記録されていますが、その大半は未だ発見されていません。既に見つかっているのはその約半分に過ぎず、多くは水中やアクセスが困難な沿岸地域に沈んでいるため、今回のように開けたビーチに破片が出現したことは、考古学者や地域社会にとって特別な関心事となりました。
専門家による予備的な評価によると、発見された船は全長約20メートルから25メートルの木造帆船であると推定されています。平らな船底や、角張った頭を持つ釘(角頭釘)を用いた接合方法といった構造上の特徴から、この船は沿岸航海を目的としており、漁船または交易船として使用されていた可能性が示唆されています。
木材の状態と建造様式は、この船が19世紀末から20世紀初頭にかけてのもの、すなわち75年以上の歴史を持つことを示しており、その歴史的価値を裏付けています。この時代の船舶の発見は、当時の海上交通や生活様式を理解する上で重要な手がかりとなります。
ヘリテージ・ビクトリアの考古学者たちは、船の特定のために複合的な手法を用いています。具体的には、詳細な寸法測定、木材サンプルの採取、そして構造要素の分析です。予備調査の段階で、この地域で消息を絶ち、かつサイズが類似している既知の船舶の中から、いくつかの候補が絞り込まれました。最終的な起源の確認は、採取された木材の種類を特定し、それをアーカイブデータと照合した後に行われる見込みです。
法律に基づき、建造から75年以上が経過したすべての船舶は、連邦法および州法によって保護されています。ヘリテージ・ビクトリアは、一般市民に対し、新たな発見があった場合には報告し、文書化に協力することを積極的に奨励しています。重要な保存原則として、対象物は現場で維持されます。今回も検査後、破片は再び砂で覆い隠されました。これは、大規模な発掘作業が損傷を引き起こす可能性がある一方で、砂が木材の劣化を防ぐのに役立つためです。
この難破船の発見は、その起源、乗組員の運命、積荷について多くの疑問を呼び起こし、地元コミュニティの大きな関心を集めています。ボランティアや考古学者たちは、このような船の発見は単なる歴史調査に留まらず、過去の航海や人々が沿岸地域とどのように関わってきたかを再構築する一種の「パズル」であると述べています。
今回の発見は、特に海岸線の浸食が絶えず進行する状況下において、歴史的遺産の公的な監視がいかに重要であるかを浮き彫りにしました。地元住民の迅速な対応と考古学者の専門的な評価のおかげで、貴重な文化的遺産が将来の世代のために確実に保存されることとなったのです。これはビクトリア州の豊かな海洋史に新たな一ページを加える出来事と言えるでしょう。
ソース元
The Guardian
Shipwreck Discovery Program
Volunteer discovers shipwreck on Victorian beach
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