MeerKAT望遠鏡が捉えた謎の電波円環「ORC J0356–4216」、銀河活動の可能性を示唆

編集者: Uliana S.

南アフリカのMeerKAT電波望遠鏡は、2023年10月にORC J0356–4216と名付けられた、ほぼ完全な円形構造を持つ特異な電波円環を観測しました。この天体現象は、近年発見された中でも特に理解が進んでいないもので、電波波長でしか観測できません。ドイツのルール大学ボーフムのサム・タジアウ氏率いる国際研究チームは、この発見に関する詳細な分析結果をarXivプラットフォーム上で発表しました。

ORC J0356–4216は、約2.18億光年に相当する約2分角の直径を持つ、対称的な二重環構造を特徴としています。これは、赤方偏移0.494の位置にあり、楕円銀河WISEA J035609.67–421603.5内に存在します。観測によると、この環は20%から30%の偏波を示し、磁場配向は環の輪郭に沿っています。

研究者たちは、この奇妙な電波円環の起源について、活動銀河核(AGN)の過去の活動、あるいは銀河団の相互作用や合体によって生じた大規模な衝撃波に関連している可能性を指摘しています。ホスト銀河の赤外線色は、楕円銀河におけるAGNのそれに一致しており、AGN活動に関連する起源という仮説を裏付けています。

この発見は、主にMeerKAT電波望遠鏡によって検出された一連の奇妙な電波円環の観測の一部です。これらの謎めいた構造は、縁が明るい電波放射の環を特徴としていますが、可視光、赤外線、X線などの他の波長では検出されません。現在も、これらの構造が銀河の進化においてどのような役割を果たしているのか、その起源をより深く理解するための研究が続けられています。

「奇妙な電波円環(ORC)」と呼ばれるこれらの天体は、2019年に発見された比較的新しい天文学的現象であり、その巨大なサイズ(直径数百万光年)と電波波長でのみ観測可能であるという特徴から、天文学者の間で大きな関心を集めています。ORCの起源については、活動銀河核(AGN)の残骸、超新星爆発による衝撃波、あるいは銀河の合体など、複数の説が提唱されています。ORC J0356–4216に見られる二重環構造と偏波特性は、過去のAGN活動や、強力な星形成活動からの流出風による衝撃波の可能性を示唆しており、さらなる観測と分析が求められています。

この研究結果は、2025年9月5日にarXivプラットフォーム上で公開されました。

ソース元

  • Clubic.com

  • Phys.org

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