誕生したばかりのマグネターの「心臓の鼓動」を捉えたガンマ線バーストGRB 230307A

編集者: Uliana S.

2023年3月7日に観測されたガンマ線バースト(GRB)GRB 230307Aにおいて、周期的な信号が検出されました。この信号は、これまで直接観測されたことのない、誕生したばかりのマグネター、すなわち太陽の磁場の1000兆倍も強力な超強力な磁場を持つ急速に回転する中性子星の「新生星の心臓の鼓動」を示唆するものです。この発見は、2023年11月8日に学術誌「Nature Astronomy」に掲載されました。

ガンマ線バーストは宇宙で最も強力な現象ですが、GRB 230307Aは200秒という長い持続時間にもかかわらず、中性子星の合体を示唆する特徴を持っていました。これは従来の分類では説明が困難な特異な性質でした。香港大学、南京大学、および中国科学院高エネルギー物理研究所の共同研究により、909Hzで160ミリ秒続く周期的な信号が発見され、これは「ミリ秒マグネター」と呼ばれる高速回転中性子星の形成を示唆しています。

この観測は、X線とガンマ線で同時にコンパクト天体の合体を捉えた初めての事例であり、ガンマ線バーストとマグネター形成の物理学に貴重な洞察を提供します。マグネターエンジンがコンパクト星の合体に関連している事実は、中性子星の状態方程式が比較的硬いことを示唆しています。また、マグネターエンジンが放出物質に注入するエネルギーは穏やかであり、新生マグネターから相対論的ジェットを生成できないとする現在のモデルに挑戦を投げかけています。

将来、2024年1月9日に打ち上げられたEinstein Probeのような広視野X線望遠鏡とGRBモニターとの連携により、同様の事例がさらに検出され、初期放射段階におけるGRB物理学に関するさらなる情報が得られる可能性があります。この画期的な発見は、宇宙の極限状態における重力と磁気のダイナミックな相互作用の解明に貢献するものです。

GRB 230307Aは、観測史上2番目に明るいガンマ線バーストであり、テルルなどの重い化学元素の存在を示しました。これは、中性子星の合体によって生命に必要な元素が合成されることを示唆しています。研究者たちは、この現象を観測するために、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、ニール・ゲーレルズ・スウィフト天文台、フェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡など、様々な望遠鏡を使用しました。この発見は、中性子星の衝突が鉄よりもはるかに重い希少元素を生成するための理想的な「圧力鍋」であることを裏付けています。

ソース元

  • Tribuna do Sertão

  • Researchers detect first 'heartbeat' of a newborn neutron star in distant cosmic explosion

  • Magnetar emergence in a peculiar gamma-ray burst from a compact star merger

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