桜島、早朝に噴火し噴煙4400メートル到達、周辺県に降灰注意報発令

鹿児島県に位置する桜島火山は、今週日曜日の早朝に再び活発な噴火活動を示し、大量の噴煙と火山灰を大気中に放出しました。この事象は、同火山の継続的な活動サイクルの一環として捉えられますが、その規模は周辺地域に影響を及ぼすレベルに達しています。日本気象協会（JMA）の公式発表によれば、今回の噴火によって噴出した火山灰は、火口上空4,400メートルの高みにまで到達したことが確認されました。これは、2024年7月29日に観測された噴煙4400メートル到達の事象と並ぶ、特筆すべき高さです。

気象当局は、この噴火に伴う降灰の可能性を考慮し、鹿児島県内の鹿児島市や、隣接する宮崎県の一部地域に対して、住民への注意喚起を発令しました。具体的には、11月16日午前8時50分頃の噴火では、噴煙が火口縁上2500メートルまで上昇し、午後3時までに鹿児島市（桜島）では「やや多量」の降灰が予想され、宮崎県の都城市や小林市への降灰も予測されています。なお、2024年2月14日には5000メートルに達する爆発的噴火も記録されており、活動の活発化が示唆されています。

鹿児島県は、このような降灰という特有の課題に対し、灰の侵入防止、堆積しにくさ、除去の容易さ、そして灰からの完全な保護という観点から、住宅のメンテナンス省力化と快適性向上を目指した具体的な降灰対策を推進しています。当局は、降灰が予想される地域に対し、傘やマスクなどによる防灰対策の実施と、路面表示が見えにくくなる「やや多量」の降灰が予測される範囲では徐行運転を心がけるよう呼びかけています。鹿児島市では、降り積もった火山灰を清掃するためのロードスイーパーや散水車が稼働しており、市民には無償配布される「克灰袋（こくはいぶくろ）」を用いた灰の収集体制が整備されています。

2024年の桜島の火山活動の総括として、南岳山頂火口では99回の噴火が観測され、そのうち爆発は46回を占めました。これは、前年2023年の噴火回数175回（爆発85回）と比較すると減少傾向にありますが、活動の性質は依然として警戒を要するレベルにあります。これらの日常的な対策は、桜島が過去に経験した大規模噴火、例えば1914年（大正3年）の桜島大正大噴火の教訓に基づいています。この大噴火では、死者58名、全壊家屋120戸の甚大な被害が生じ、溶岩流出により桜島は陸続きとなりました。

桜島の火山活動は、姶良カルデラの地下深部におけるマグマの長期的な蓄積状態と関連していると見られています。GNSS連続観測では、2024年1月から10月にかけて山体収縮に伴うわずかな縮みが確認されていますが、姶良カルデラを挟む基線では長期的な膨張が示されており、マグマ溜まりの存在を示唆しています。住民は、噴火警戒レベル3（入山規制）が継続している状況下で、気象庁からの最新情報に基づき、日々の生活における安全確保に努める必要があります。