東ジャワ州スメル山が2025年11月18日に噴火、噴煙柱は800メートルに到達

2025年11月18日、インドネシア東ジャワ州に位置するスメル山が、現地時間午前6時11分に顕著な火山活動を記録した。この噴火により、火口上空約800メートルに達する火山灰の柱が放出され、これは海抜約4,476メートルに相当する高さであると、スメル山観測所の担当官シギット・リアン・アルフィアン氏が報告した。スメル山はジャワ島で最も標高の高い活火山であり、その活動は常に地域社会にとって重要な監視対象となっている。

インドネシア火山学・地質災害軽減センター（PVMBG）は、今回の事象を受けても、スメル山の警戒レベルを「2」（レベルII、インドネシア語で「waspada」＝警戒する）に据え置いている。このレベルは中程度から高い活動性を示唆しており、当局は厳格な安全勧告を発令中である。具体的には、火口から南東方向へ8キロメートル以内の区域、特にベスク・コボカン沿いの区域への接近を固く禁じている。これは、過去の噴火事例から、熱雲や溶岩流が広がる潜在的な危険性を考慮した措置である。

さらに、住民に対しては、噴出した白熱岩の危険性から、火口または山頂から半径3キロメートル以内の活動を控えるよう勧告されている。また、ベスク・コボカン沿いの川岸からは500メートル以上離れるよう求められており、これは熱雲や溶岩流が山頂から最大13キロメートルに達する可能性があるためである。2021年12月の噴火では、火砕流が火口から4～5km流れ下ったと報告されている。

スメル山は過去の噴火歴が豊富であり、1818年以降、少なくとも55回の噴火が記録され、そのうち10回では犠牲者も発生している。また、1967年以降はほぼ定常的に小爆発を繰り返す傾向があり、今回の2025年11月18日の噴火は、同月4日に観測された3度の噴火（うち2回が噴煙柱800メートル）に続くものであり、活動の継続性を示唆している。この山はブロモ・テンゲル・スメル国立公園内に位置し、東ジャワ州のルマジャンとマランの二つのリージェンシーの境界線上にそびえている。

インドネシアは環太平洋プレート上に位置する火山大国であり、国内には約130の活火山が存在する。PVMBGは、噴火は予兆なく発生する場合もあるため、常に安全勧告を遵守することが自己防衛の鍵であると強調している。今回の事象は、この巨大な山が依然として高い潜在的リスクを内包していることを改めて浮き彫りにした。