ブラジリア動物園は、絶滅の危機に瀕しているクロライオンタマリン(*Callithrix aurita*)のペアを新たに迎え入れました。このサルはブラジル南東部の大西洋岸森林に固有の種です。サンパウロ州で保護されたこのペアは、一般公開される前に、動物園で検疫を受け、獣医によるケアを受けています。
クロライオンタマリンは、世界で最も希少で絶滅の危機に瀕している霊長類の一つと考えられています。生息地の破壊と、侵略的な近縁種との競争が、絶滅のリスクを高める主な要因となっています。2020年の国際自然保護連合(IUCN)の評価によると、野生のクロライオンタマリンの個体数は約1,600頭と推定されており、そのうち1,200頭がモロ・ド・ディアボ州立公園に生息しています。
ブラジリアへの移送に先立ち、このペアはサンパウロ州の野生動物管理・保全センター(CeMaCAS)で、徹底的な身体検査、臨床検査、画像検査を受け、栄養補助食品も投与されました。すべての検査結果で健康状態は良好であることが確認されています。
動物園の園長は、このサンクチュアリの重要性を強調し、保護されたすべての動物は保全にとっての勝利であり、彼らのケア、教育、保護という使命を強化するものであると述べました。動物園は、自然環境でますます脅威にさらされている種にとって、避難場所と希望の場所となっています。動物園は、絶滅危惧種の保護と環境教育の推進において、重要な役割を果たしています。
クロライオンタマリンの保全活動は、ブラジルで長年にわたり続けられています。特に、IPÊ(生態研究研究所)は、1984年からクロライオンタマリン保全プログラムを主導しており、生息地の回復や森林回廊の整備を通じて、孤立した個体群の接続を試みています。これらの努力により、クロライオンタマリンのIUCNの脅威カテゴリーは、かつての「深刻な危機」から「絶滅危惧」へと改善されました。
ブラジリア動物園へのクロライオンタマリンの到着は、絶滅危惧種の保護と環境教育の推進における保全活動の極めて重要な役割を浮き彫りにしています。この新しい住処は、これらの希少なサルたちが安全に暮らし、繁殖し、そして未来の世代へと命をつないでいくための希望の光となるでしょう。