米連邦準備制度理事会を注視するインド市場、12月10日に小幅反発

2025年12月10日水曜日、インド株式市場は、前二取引日の下落から一転し、小幅ながら買いの勢いを示して反発した。この初期の買い意欲は、投資家が米国連邦準備制度理事会（FRB）の金融政策決定会合の結果を世界的なセンチメントの指標として注視している状況を反映している。アジア市場全体でもFRBの発表を前にポジション調整の動きが見られ、概ね売り優勢で推移していた背景があった。

前日12月9日火曜日の取引では、インド市場は調整局面を迎え、BSEセンス指数は84,666.28ポイントで436.41ポイント（0.51%）下落し、Nifty 50指数も25,839.65ポイントで120.90ポイント（0.47%）値を下げた。この下落は、前夜の海外市場の軟調な動向と、FRBの発表を前にした投資家の慎重姿勢が重なった結果である。特筆すべきは、市場全体が軟調であったにもかかわらず、同日中小型株の時価総額が約1兆ルピー増加した点である。

12月10日の取引開始後、午前9時30分時点では、センス指数は84,794.21ポイントと127.93ポイントの上昇を記録し、Nifty 50指数も25,899.80ポイントと60.15ポイントの小幅な上昇を記録した。セクター別では、金属株と自動車株が早期の上昇を主導した。この日の動きは、前日の売り圧力からの投資家心理のわずかな回復を示唆している。国内では、インド準備銀行（RBI）が12月3日から5日の会合でレポ金利を25ベーシスポイント（bp）引き下げ5.25%としたことが、国内の金融緩和期待として市場を下支えする一因となっている。

市場の最大の関心は、FRBが連邦資金金利を25bp引き下げ、目標レンジを3.50%から3.75%に設定するとの見方に集中している。CME FedWatchツールによれば、12月10日の25bp利下げの可能性は約90%と見られていた。FRBの政策決定は、低金利環境が株式市場を支えるという期待に直結するため、インド市場もその動向を厳しく見極めている。パウエルFRB議長による翌12月11日の記者会見が、今後の金融政策の方向性を占う上で極めて重要となる。

資金フローの観点からは、12月9日に海外機関投資家（FIIs）が3,760.08クローネの純売り越しを記録した一方で、国内機関投資家（DIIs）が6,224.89クローネを買い越し、国内資金が市場の下支え役として機能したことが確認された。インド経済は2025年の実質GDP成長率がIMF予測で前年比6.5%と見込まれるなど相対的に高い成長軌道にあり、これが中長期的な投資スタンスを支える基盤となっている。

個別企業ニュースとして、大手格安航空会社インディゴ（IndiGo）は、12月9日付でインド民間航空総局（DGCA）から、新たな乗務員勤務規則への適応の遅れを理由に、冬季スケジュールを10%削減するよう指示を受けた。同社は運航状況の安定化に約2ヶ月を要する見込みであると報告されている。この航空業界の特定の問題は、市場全体への影響は限定的であるものの、国内特定セクターの運営上の課題を浮き彫りにした。市場の視線は、FRBの公式声明とパウエル議長の会見を経て、12月11日以降の展開に注がれている。