ベネズエラは9月17日、カリブ海地域での緊張が高まる中、「カリベ・ソベラノ200」と名付けられた軍事演習を開始しました。この演習には、2,500人の兵員、22機の航空機、12隻の艦艇が参加し、水中ドローン、航空ドローン、監視ドローン、特殊部隊、情報部隊、航空宇宙部隊などが投入されます。
この動きは、地域における緊張の高まりを受けてのものです。8月下旬には、ニコラス・マドゥロ大統領が、カリブ海への米艦艇の展開に対抗して軍事演習を視察しました。米海軍の展開には、駆逐艦3隻と原子力攻撃潜水艦1隻が含まれており、麻薬対策強化を名目に動員されています。
さらに、9月2日には米軍がカリブ海で航空攻撃を実施し、少なくとも3隻の船舶を破壊しました。ドナルド・トランプ大統領は、これらの船舶が「コカインとフェンタニル」を運んでいたと述べています。これらの攻撃は両国間の緊張を高めており、ベネズエラは9月12日に米海軍による漁船の「不法な拿捕」を非難しました。ベネズエラ政府によると、米軍兵士18名が漁船に乗り込み、活動が許可されていたにもかかわらず、ベネズエラの排他的経済水域内で乗組員を8時間拘束したとのことです。
これらの行動に対し、ベネズエラは外部からの脅威に対抗するため、国民、軍隊、政治指導者の間の結束を強化する取り組みを強化しています。マドゥロ大統領は、「アメリカ帝国」から攻撃を受けた場合、「直ちに」「武力闘争」に移行すると警告しています。
米国は麻薬密輸組織の取り締まりを強化するため、カリブ海地域に空母、駆逐艦、原子力潜水艦を含む複数の艦艇を展開しています。これには、グアム島沖に展開された空母ニミッツ級の空母や、駆逐艦3隻、原子力潜水艦1隻が含まれます。これらの軍事活動は、両国間の緊張を高める可能性があります。ベネズエラは、これらの米国の行動を自国の主権に対する脅威と見なし、軍事演習で対応しています。
特に、9月2日に米国がベネズエラから出航した麻薬密輸船を攻撃し、乗組員11名を死亡させた事件は、両国間の緊張をさらに高めました。トランプ政権は、ベネズエラのマドゥロ大統領が麻薬カルテルの首謀者であると非難し、その身柄引き渡しに対する報奨金を5000万ドルに倍増させています。米国は、麻薬対策を名目にカリブ海地域での軍事プレゼンスを強化しており、これにはF-35戦闘機やMQ-9リーパー無人偵察機などの最新鋭航空機の展開も含まれています。