EU東部諸国、「対ドローン壁」構築で合意 ロシアの挑発とウクライナ・ハンガリー間の緊張受け

編集者: Татьяна Гуринович

欧州連合(EU)加盟国、特にNATO東部諸国は、ロシアによる挑発行為に対抗するため、「対ドローン壁」の構築を最優先防衛策として合意しました。この取り組みは、欧州防衛体制強化を目指す広範な戦略の一環であり、高度な探知・迎撃能力、地上防衛システム、海上警備、宇宙監視を含みます。ウクライナは、ロシア製ドローンに対する実戦経験を活かし、技術設計に協力する用意があります。この決定は、ハンガリー製とみられる偵察ドローンによるウクライナ領空侵犯疑惑や、ウクライナとハンガリー間の継続的な外交的対立など、緊張が高まる中でなされました。

「東部側面警戒網」と呼ばれるこの計画は、4つの柱で構成されています。第一に、高度な探知・迎撃能力を備えた対ドローン壁。第二に、対機動システムを含む地上防衛。第三に、バルト海と黒海における海上警備。第四に、宇宙監視です。欧州委員会は、この構想を政治的に主導し、10月にコペンハーゲンで開催される非公式欧州理事会で提案される予定です。このシステムは、1年以内の運用開始を目指しています。

この合意は、ウクライナとハンガリー間の外交的緊張が高まる中で行われました。ウクライナは、ハンガリー製とみられる偵察ドローンによる領空侵犯に対し、ハンガリー軍人3名の入国を禁止しました。これは、ハンガリーが以前ウクライナ将校の入国を拒否したことへの報復措置です。一方、ハンガリーの外務大臣は、ウクライナが反ハンガリー政策を推進し、ハンガリーが輸入する原油の65%をロシアから供給しているドルジバ石油パイプラインのような主要インフラを攻撃していると主張し、ウクライナのEU加盟に対する反対を改めて表明しました。

この「対ドローン壁」構想は、ロシアのハイブリッド戦術やドローンによる脅威に対する欧州の防衛能力を強化する上で重要な一歩となります。ウクライナの経験を技術設計に活かすことは、実効性の高いシステム構築に貢献するでしょう。しかし、ウクライナとハンガリー間の外交的摩擦は、この共同防衛構想の実施と効果に複雑な影響を与える可能性があります。このイニシアチブの成功は、技術的能力だけでなく、加盟国間の政治的意思と協力にかかっています。この計画は、2030年までの欧州の再軍備に向けたEU委員会のロードマップにも盛り込まれる予定です。

ソース元

  • Deutsche Welle

  • Euronews

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