マイクロソフトは2024年、日本国内における再生可能エネルギーの利用を拡大するため、志能源(Shizen Energy)との間で合計100メガワットに達する3件の新たな太陽光発電購入契約(PPA)を締結しました。これらの20年間の契約は、九州および中国地方のプロジェクトを対象としています。
この取り組みは、マイクロソフトが掲げる2025年までに電力消費量の100%を再生可能エネルギーで賄い、2030年までにカーボンネガティブを達成するという、より広範な戦略の一環です。今回の契約には、既に稼働中の施設が1件含まれており、残りの2件は建設中で、今後数年間でクリーンな電力を供給する予定です。これは、2024年に世界16カ国で19ギガワットもの新たな再生可能エネルギーを契約したマイクロソフトの、グローバルな再生可能エネルギー調達加速の流れを反映しています。
志能源は2011年の設立以来、日本国内外で1.2ギガワットの再生可能エネルギープロジェクトを開発しており、マイクロソフトだけでなくGoogleとも日本でクリーンエネルギー供給に関する契約を結んでいます。Googleは2024年に志能源と20メガワットの太陽光発電プロジェクトに関する長期契約を締結し、データセンター運営を支えるクリーンエネルギーの確保を進めています。
日本政府も再生可能エネルギーの導入拡大に注力しており、2030年までにエネルギーミックスに占める再生可能エネルギーの割合を36~38%に引き上げることを目指しています。これは、現在の約22%(2023年には約25.7%)から大幅な増加となります。この目標達成に向け、政府は規制改革や技術革新を推進し、企業の再生可能エネルギーへの投資を後押ししています。マイクロソフトのような先進企業の取り組みと国の目標が組み合わさることで、日本のクリーンエネルギーへの移行は加速すると期待されます。
今回のマイクロソフトによる契約は、同社の持続可能性への強いコミットメントを示すものです。2030年までのカーボンネガティブ達成という野心的な目標に向け、日本での再生可能エネルギー利用拡大は重要な一歩となります。これらの太陽光発電プロジェクトは、地域経済への貢献に加え、地球規模での気候変動対策においても着実な進歩をもたらすものと期待されます。