インドは、マレーシアのクアラルンプールで2025年9月29日から10月3日まで開催された世界社会保障フォーラム(WSSF)において、社会保障分野での卓越した功績を称えられ、国際社会保障協会(ISSA)アワードを受賞しました。この3年ごとに授与される栄誉は、過去10年間にわたるインドの社会保護カバレッジの拡大と近代化における顕著な進歩を評価したものです。インドは、この権威あるISSAアワードの創設以来、受賞した5番目の国となりました。過去の受賞国は、ブラジル(2013年)、中国(2016年)、ルワンダ(2019年)、アイスランド(2022年)です。
インドの労働・雇用大臣であるマンスク・マンダビヤ博士は、インド政府を代表してこの賞を受け取りました。同大臣は、この功績はナレンドラ・モディ首相のビジョンと、「アンティオダヤ」(列の最後の人々をエンパワーメントする)という原則へのコミットメントの証であると述べました。彼は、「この名誉は、包括的で普遍的な社会保護を追求する私たちの努力の証です。私たちは、社会保障が社会のあらゆる層に届くように、体系的な改革を実施してきました」と強調しました。
インドの社会保障カバレッジは、2015年の19%から2025年には64.3%へと著しく増加し、現在では9億4000万人以上の市民が保護を受けています。この成果は国際労働機関(ILO)からも認められています。この拡大の主な推進力の一つは、2021年に開始されたe-Shramポータルです。この全国的なデジタルデータベースは、3億1000万人以上の非正規労働者を登録し、福祉制度への直接アクセスを可能にしました。マンダビヤ大臣は、e-Shramポータルが「ワンストップソリューション」として機能し、多言語でシームレスなインターフェースを通じて、非正規労働者を社会福祉制度に結びつけていると説明しました。
さらに、同大臣は、求職者と雇用主を結びつける国家キャリアサービス(NCS)ポータルについても言及しました。e-Shramと統合されたNCSは、労働者がグローバルな機会を追求する際にも社会保障の恩恵を受け続けられるように設計されています。インドのアプローチは、断片的なシステムから、ライフサイクルに基づいた統合的なセーフティネットへと進化しています。
世界社会保障フォーラム(WSSF)は、社会保障の未来を形作るための重要な国際イベントであり、130カ国以上から1,500人を超える参加者が集まりました。このフォーラムは、社会保障システムの適応と革新の機会を探るためのプラットフォームを提供しました。インドの今回の受賞は、同国がグローバルな社会保障の議論において、リーダーシップを発揮していることを示しています。インドは、ISSA総会でも30議席を獲得し、世界的な影響力の高まりを示しました。これは、政策、プロセス、デジタル改革を通じて社会保障を強化するというインドの取り組みを反映しています。