DeepSeek、実験的AIモデル「DeepSeek-V3.2-Exp」を発表、API価格を50%以上削減

編集者: Татьяна Гуринович

中国のAI開発企業DeepSeekは、長文シーケンスの処理効率を向上させた実験的モデル「DeepSeek-V3.2-Exp」を発表しました。この発表と同時に、開発者向けAPIの価格を50%以上大幅に引き下げ、市場での競争力を強化する狙いです。この新しいモデルは、同社の次世代アーキテクチャに向けた「中間ステップ」と位置づけられています。

DeepSeek-V3.2-Expは、既存の「V3.1-Terminus」を基盤とし、新たに「DeepSeek Sparse Attention(DSA)」という技術を導入しました。このDSAは、長文テキストの処理における計算コストとメモリ使用量を大幅に削減し、トレーニングと推論の効率を向上させます。公式発表によると、DSAは「きめ細やかなスパースアテンション」を初めて実現し、モデルの出力品質を維持しながら、長文コンテキストでのパフォーマンスを向上させています。ベンチマークテストでは、MMLU-Proで85.0点、CodeforcesではV3.1-Terminusを上回る2121点を記録し、その性能が証明されています。

API価格の引き下げは、開発者コミュニティへのアクセスを拡大し、イノベーションを加速させるための戦略的な動きです。特にキャッシュヒット時の入力コストは、以前の0.07ドル/百万トークンから0.028ドルに、キャッシュミス時でも0.56ドルから0.28ドルへと大幅に削減されました。これにより、大規模なアプリケーション展開における経済性が向上し、より多くの開発者がDeepSeekの先進的なAIソリューションを利用できるようになります。この価格改定は、AIサービスのコスト障壁を低くし、創造性を刺激する可能性を秘めています。

Hugging Faceなどのプラットフォームを通じて提供されるDeepSeek-V3.2-Expは、オープンソースのカーネルも提供しており、研究開発から商用利用まで幅広く対応しています。この動きは、AI分野における中国の技術力を示し、グローバル市場での存在感を高めるものと見られています。DeepSeekは、AI技術の進化とアクセシビリティの向上を通じて、様々な産業におけるイノベーションの加速に貢献していくことが期待されます。

ソース元

  • Valor Econômico

  • DeepSeek API Docs

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