ベラルーシ、政治囚52人を解放 米国は航空会社への制裁を一部緩和

編集者: Татьяна Гуринович

ベラルーシは9月11日、52人の政治囚を解放しました。これを受け、米国はベラルーシ国営航空会社ベラビアに対する一部制裁を緩和しました。この動きは、長年にわたり国際的な孤立と制裁に直面してきたベラルーシと西側諸国との関係改善に向けた重要な一歩と見られています。

解放された政治囚には、著名な野党活動家であるミカラ・スタトケヴィチ氏や、ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティのジャーナリストであるイーハル・ロシク氏が含まれています。スタトケヴィチ氏はベラルーシとリトアニアの国境地帯に留まることを選択し、リトアニアへの入国を拒否したと報じられています。ロシク氏は2021年12月から「集団暴動の組織」などの容疑で拘束されていました。今回の解放には、リトアニア人6人、ラトビア人2人、ポーランド人2人、ドイツ人2人、フランス人1人、英国人1人の計14人の外国人も含まれており、関係国との関係修復の意図も示唆されています。

これに対し、米国はベラルーシの国営航空会社ベラビアに対する一部制裁を解除しました。これにより、ベラビアは既存の航空機部品の維持・購入が可能となります。この措置は、両国関係の改善に向けた信頼醸成措置として位置づけられており、米国特使ジョン・コール氏は、関係正常化への「始まり」であると述べています。

ベラルーシはロシアの緊密な同盟国であり、2022年のウクライナ侵攻においてもロシア領土の使用を認めるなど、西側諸国から厳しい制裁を受けてきました。今回の制裁緩和は、こうした状況下でのベラルーシの外交的戦略の一環と見ることができます。2020年の大統領選挙後の大規模な抗議活動に対する弾圧以降、多くの政治囚が投獄されてきましたが、2025年6月には著名な反体制派で亡命中の野党指導者スヴャトラーナ・ツィハノウスカヤ氏の夫であるシヤルヘイ・ツィハノウスキ氏を含む13人が解放されており、今回の解放はこうした流れを汲むものです。

しかし、人権団体からは、依然として1,000人以上の政治囚が拘束されていることへの懸念が表明されており、今後のさらなる人権状況の改善が求められています。今回の囚人解放と制裁緩和は、ベラルーシが国際社会との対話の窓を開こうとする姿勢を示すものですが、国内の民主化や人権擁護の観点からは、まだ多くの課題が残されています。関係国や人権団体は、ベラルーシ政府が約束を確実に実行し、全ての政治囚の解放と、より公正で自由な社会の実現に向けて具体的な行動を起こすことを期待しています。

ソース元

  • BayToday.ca

  • Reuters

  • AP News

  • Reuters

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