米国大統領ドナルド・トランプ氏は、ウクライナのNATO加盟を認めない意向を表明する一方、同国に対し「強力な安全保障」と「非常に良い保護」を提供すると明言した。これは、ウクライナのゼレンスキー大統領とのワシントンでの会談中に述べられたものである。
トランプ氏は、米国はNATO加盟という形ではなく、他国と連携してウクライナに安全保障を提供する用意があると強調。「特定の事柄が進行中であり、それは起こらないだろう」と述べ、NATO加盟以外の形での安全保障提供を示唆した。欧州の指導者たち、特にフランスのマクロン大統領やドイツのメルケル前首相らは、NATO加盟という形を取らないまでも、NATOの「集団的自衛権」である第5条に類似した安全保障を提供する考えを支持している。これは、ウクライナが長年求めてきたNATO加盟へのロシアの反対を回避する方策となり得る。
ゼレンスキー大統領は、欧州諸国が全面的に参加する形での、陸海空における保護を含む実質的な安全保障の必要性を訴えた。また、条件が整えばトランプ大統領、ロシアのプーチン大統領との三者会談にも前向きな姿勢を示した。この会談は、トランプ大統領がアラスカでプーチン大統領と行った単独会談に続くもので、アラスカでの会談ではウクライナにおける平和達成の可能性について協議されたが、領土の譲歩を含む具体的な内容については、依然として議論の余地が残されている。
一方、ロシアはウクライナへの攻勢を続けており、8月18日にはハルキウの集合住宅へのドローン攻撃で7人が死亡、20人が負傷した。この攻撃は、平和への道のりの険しさを物語っている。欧州諸国は、ウクライナへの安全保障提供において米国との連携を重視しており、欧州連合（EU）もその一翼を担う用意があることを示している。しかし、具体的な内容や米国の役割については、さらなる協議が必要である。欧州の指導者たちは、ウクライナの領土保全と主権の尊重を強く求めており、トランプ大統領の提案がこれらの原則とどのように整合するか、注目が集まっている。