カタール・ドーハで開催されていたコンゴ民主共和国(DRC)政府とM23反政府勢力との和平交渉は、8月18日の合意期限を前に進展が見られず、交渉決裂への懸念が高まっています。この停滞は、長引く東部コンゴの紛争終結を目指す努力に影を落としています。
M23反政府勢力は2025年初頭にゴマとブカブを制圧し、数千人の死者と広範な避難民を生じさせました。その後、7月19日に両当事者はドーハで原則宣言に署名し、8月8日までに交渉を開始することで合意しましたが、その後の進展は限定的です。M23側は、さらなる協議の前提条件として、囚人の解放を強く求めています。一方、コンゴ政府は仲介者からの合意草案を検討中です。期限は過ぎましたが、協議は継続される見込みです。
この紛争の背景には、M23が過去の和平合意の履行不足やツチ系住民への差別を主張して蜂起した経緯があります。また、国連専門家パネルは、2025年初頭のゴマとブカブ制圧において、6,000人以上のルワンダ兵がコンゴ領内に展開され、M23の作戦を支援していたと報告しており、ルワンダの関与が紛争の激化要因として指摘されています。この状況は、東部コンゴにおける人道危機をさらに悪化させています。
国際社会は、停戦合意の遵守と持続可能な平和の追求を強く求めています。特に米国は、8月12日および13日に、PARECO武装グループおよび紛争鉱物の不正取引に関与した企業に対し制裁を科しました。これらの措置は、武装勢力への資金供給を断ち、資源搾取に対処することを目的としています。専門家は、和平への進展は、両当事者による停戦の維持と真摯なコミットメントにかかっていると分析しています。
現状では、双方とも停戦違反の非難合戦を続けており、状況は依然として不安定です。しかし、ドーハでの交渉は継続されており、カタールが仲介役として重要な役割を果たしています。この交渉の行方は、地域全体の安定に大きく影響すると見られています。