第35回世界水週間が、2025年8月24日から28日までスウェーデンのストックホルムで開催されます。ストックホルム国際水研究所(SIWI)が主催するこの会議は、今年のテーマ「気候変動対策のための水」のもと、水と気候変動の密接な関係に焦点を当て、地球規模の水問題に取り組みます。
会議では、気候変動に対処するための持続可能な水管理の重要性が強調され、特に内陸開発途上国(LLDCs)向けの持続可能な開発目標6(SDG6)達成に向けた進捗加速が主要な議題となります。ブータン、ルワンダ、サウジアラビアなどの国々が、水と衛生分野での進歩について経験を共有する予定です。
「タップ、投資、変革:水と衛生ファイナンスの未来」と題されたセッションでは、IFAD、GCF、Sida、UNICEFなどの国際機関と協力し、水と衛生サービスへの資金調達ギャップを埋めるための革新的な金融モデルが探求されます。安全な飲料水と衛生設備への普遍的なアクセス確保に向けた新たな資金調達メカニズムの重要性が議論されます。
世界保健機関(WHO)の2022年の報告によると、17億人が糞便で汚染された水源を利用しているという事実は、議論の緊急性を示しています。気候変動が進行する世界において、信頼性の高い水の供給は適応戦略の基盤となります。
気候変動は水資源に深刻な影響を与え、干ばつや洪水といった異常気象の頻度と強度を増大させています。気温上昇は蒸発を促進し、一部地域では乾燥を深刻化させる一方、他の地域では降水量増加と洪水の危険性を高めます。2050年までに、水不足はアフリカ、アジア、中東の多くの地域でGDP成長を6~14%押し下げる可能性が予測されています。また、2000年以降の自然災害の約4分の3が水関連災害であったことも、気候変動と水問題の関連性を示唆しています。
SDGs達成のためには、開発途上国における水供給と衛生設備への年間投資額を現在の3倍、すなわち1140億ドルに増加させる必要があります。水セクターは民間投資家にとって必ずしも魅力的な分野ではありませんが、グリーン気候基金(GCF)のような機関は、民間資金を動員するための革新的な金融ツールを活用しています。GCFはこれまでに42のプロジェクトで30億ドルの資金を動員しており、水セキュリティへの投資を促進しています。グリーンボンドやブルーボンドといった革新的な資金調達メカニズムも世界的に増加しており、2020年には120億ドル以上の投資が行われました。
世界水週間2025は、政府、ビジネス、学術界、若者、市民社会が連携し、水に関する知識を行動へと転換させるための重要なプラットフォームとなります。気候変動、環境破壊、生物多様性の損失といった相互に関連する課題に対処し、すべての人々にとって持続可能で気候変動に強い未来を築くための協力と革新的な解決策が模索されます。多くのセッションはオンラインでも参加可能であり、世界中の人々がこの重要な議論に参加できるようになっています。