9月14日、トルコの首都アンカラでは、主要野党である共和人民党(CHP)に対する法的な圧力に抗議するため、数万人が集結しました。この大規模なデモは、CHPの2023年党大会の有効性を問う裁判が、党指導部の交代につながる可能性を示唆する中で行われました。野党側はこの訴訟を政治的動機によるものと見なしていますが、政府は手続き上の不備を主張しています。
デモ参加者たちは、トルコ国旗やCHPのバナーを掲げ、「エルドアン大統領辞任」を求めるシュプレヒコールを上げました。CHPのリーダーであるオズギュル・オゼル氏は集会で演説し、政府が民主的な規範を損ない、異議申し立てを抑圧していると非難しました。イスタンブール市長のエクラム・イマモール氏からの書簡も読み上げられ、同氏は政府が政治的に動機づけられた司法手続きを通じて、次の選挙結果を事前に決定しようとしていると非難しました。これに対し、聴衆からは「イマモール大統領」という声援が上がりました。
この裁判は、CHPの指導者であるオゼル氏を失脚させる可能性があり、トルコの政治情勢に大きな影響を与える可能性があります。過去1年間で、CHPのメンバー500人以上、およびCHPが運営する自治体の首長17人が、汚職捜査の一環として拘束されています。イマモール氏自身も2025年3月に汚職とテロ関連の容疑で逮捕され、大規模な抗議デモを引き起こしました。これらの出来事は、野党が昨年の地方選挙で勝利を収めた後の、政府による反対派への締め付けが強まっていることを示唆しています。
トルコ政府は、司法は独立しており、法的な措置に政治的動機はないと主張しています。しかし、多くの批評家や人権団体は、これらの措置が民主的な制度を弱体化させるための計算された試みであると非難しています。2024年の地方選挙では、CHPが多くの主要都市で勝利し、エルドアン大統領の与党である公正発展党(AKP)にとって20年以上にわたる最悪の選挙結果となりました。この勝利は、野党に勢いを与えましたが、同時に政府による司法への圧力という新たな課題に直面しています。
この裁判の結果は、CHPの将来だけでなく、トルコの政治的景観全体に影響を与える可能性があります。法廷での決定は、民主主義の原則と政府の権力行使との間の緊張関係を浮き彫りにし、2028年に予定されている次期総選挙の時期にも影響を与える可能性があります。