セルビアのノヴィ・サドで、数千人のデモ参加者が大学キャンパスに集結し、アレクサンダル・ヴチッチ大統領とその与党に対し、即時選挙と説明責任を求めた。この抗議活動は、2024年11月1日に発生したノヴィ・サド駅の屋根崩落事故で16人が死亡した悲劇に端を発しており、デモ参加者は政府の腐敗と怠慢が事故の原因であると非難している。
9月5日(金)、数千人がノヴィ・サドの大学キャンパスに集まり、「封鎖は望まない、選挙を要求する」「学生の唯一の要求は、選挙の実施だ」といったスローガンを掲げた。デモ参加者はキャンパスに向かって行進したが、警察は催涙ガスや閃光弾を使用してデモ隊を解散させようとした。報道によると、デモ参加者は警察に対しフレアやボトルを投げつけた。
ヴチッチ大統領は、デモの最中に警察官11人が負傷したと発表した。デモ参加者の負傷者数については情報がない。大統領は、反政府デモの背後に外国の諜報機関がいると非難し、自身の支持者も日曜日にセルビア各地で集会を行うと述べた。
この抗議活動は10ヶ月に及び、当初は平和的だったが、8月13日には複数の場所で数十人の市民と警察官が負傷する衝突が発生した。デモ参加者は、政府系支持者や警察による過剰な武力行使が原因だと主張している。
学生たちは、政府の腐敗と無策を非難し、即時選挙と悲劇の責任者の処罰を求めている。一方、ヴチッチ大統領と与党はこれらの疑惑を否定し、デモは外国勢力による政権転覆の試みだと主張している。セルビアでは、2025年9月5日のノヴィ・サドでの出来事を含め、政府に対する不満が高まっており、学生主導の抗議活動が続いている。過去には、1996年から1997年にかけて選挙不正に対する学生や野党による大規模な抗議活動も行われた。
この状況は、セルビアにおける政治的緊張と国民の不満の高まりを示しており、選挙制度や政府の説明責任に対する深い不信感が根底にあることを示唆している。過去の悲劇が引き金となったことは、社会的な不安の深さを示している。セルビアの学生たちは、民主主義と公正な選挙を求めて声を上げており、この運動はセルビアの最近の歴史において前例のない規模と激しさを持っている。多くの大学教授や大学が学生たちに連帯を示しており、この運動は広がりを見せている。