元大統領のドナルド・トランプ氏は2025年8月12日、自身のソーシャルメディアプラットフォーム「Truth Social」で、連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長に対し、ワシントンD.C.にあるFRB本部の歴史的建造物の改修費用が膨張していることについて公に批判を展開しました。トランプ氏は、パウエル議長が建設の管理において「ひどく、極めて無能な」仕事をしたと非難し、この件に関して「主要な訴訟を進行させることを検討している」と述べました。さらに、トランプ氏はFRBに対し、利下げを強く要求し続けました。
報道によると、FRBの建物の改修プロジェクトは当初19億ドルと見積もられていましたが、現在では約25億ドルにまで増加しています。この費用の増加は、予期せぬ課題、アスベストの追加発見、およびより広範な構造工事の必要性などが原因とされています。トランプ氏は、本来5000万ドルで済むはずだった改修に30億ドルが費やされたと主張し、パウエル議長の管理能力を厳しく問いただしました。
この件に関して、FRBは、改修プロジェクトは国家首都計画委員会(NCPC)によって承認された計画に準拠しており、設計変更は最小限で簡素化を目的としたものであると説明しています。また、パウエル議長は、建物の改修が安全性と機能性のために不可欠であると強調しています。しかし、トランプ氏の批判は、FRBの独立性に対する政治的圧力という、より大きな問題提起をしています。過去の研究では、大統領によるFRBへの圧力はインフレ率とインフレ期待を押し上げる可能性があることが示唆されています。
この状況は、金融政策の独立性と、連邦政府機関の運営における透明性および財政責任の重要性についての議論を再燃させています。FRBの独立性は、経済の安定とドルの国際的な地位を維持するために不可欠であると広く認識されています。トランプ氏の行動は、FRBの独立性に対する潜在的な影響と、金融政策決定への政治的干渉の可能性についての懸念を引き起こしています。経済専門家は、このような政治的圧力は、長期的な経済的健全性よりも短期的な政治的利益を優先させる可能性があり、中央銀行の信頼性を損なう可能性があると警告しています。FRBのパウエル議長の任期は2026年5月までですが、この間の両者の関係は引き続き注目されるでしょう。