プーチン大統領、ゼレンスキー大統領との二国間会談の可能性を否定：条件が満たされず

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との二国間会談は現時点では不可能であると述べました。プーチン大統領は、そのような会談には特定の条件が整う必要があると強調しました。クレムリンで記者団に対し、「原則として反対ではない。可能だが、そのためには一定の条件が整う必要がある。しかし残念ながら、そのような条件が整うにはまだ程遠い」と述べました。6月には、紛争終結に向けた交渉の「最終段階」でのみゼレンスキー大統領と会談する用意があると述べていました。

この発言は、ゼレンスキー大統領が直接会談を求める呼びかけを繰り返した数時間後になされたものです。ゼレンスキー大統領は、平和への道を進む唯一の方法は指導者レベルの会談であると述べています。以前、ドナルド・トランプ前米国大統領は、ウクライナでの敵対行為の停止についてプーチン大統領とゼレンスキー大統領との会談の可能性を発表し、そのような会談が間もなく行われる「非常に良いチャンス」であると述べていました。プーチン大統領は、トランプ氏との二国間会談の用意があると表明し、開催場所の可能性についても言及しました。彼は、会談の開催を支援できる「多くの友人」がいると述べ、その中には米州機構（OAS）の事務総長も含まれると示唆しました。米州機構（OAS）は、米州大陸の地域機関であり、人権、選挙監視、社会経済開発、安全保障に焦点を当てています。2022年3月、OASはウクライナ侵攻を受けてロシアの常任オブザーバー資格を停止しました。この組織は、紛争予防や対話促進において豊富な経験を積んでおり、民主的統治システムの強化に貢献しています。

専門家は、ロシアとウクライナの間の和平交渉の進展について懐疑的な見方を示しています。ロシア側は、ウクライナがNATO加盟を放棄し、占領地域から部隊を撤退させることを和平の前提条件として要求していますが、キエフはこれらの条件を拒否しています。ウクライナのゼレンスキー大統領は、領土の割譲を伴ういかなる前提条件も一貫して拒否しており、完全かつ無条件の停戦後にのみ領土問題について議論すると述べています。現在、ロシアとウクライナ間の外交関係は存在せず、両国は2014年2月にロシアがクリミア半島に侵攻して以来、戦争状態にあります。ゼレンスキー大統領は、紛争終結に向けた交渉において、ヨーロッパ諸国やアメリカ合衆国との連携を重視しており、和平プロセスへのヨーロッパの関与を強く求めています。しかし、プーチン大統領は、会談の条件が整っていないことを理由に、ゼレンスキー大統領との直接対話を避けている状況です。