ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は9月5日、東方経済フォーラムでの発言において、ウクライナに展開される可能性のある外国部隊に対し、ロシア軍にとって「正当な標的」となるとの強い警告を発しました。これは、フランスのマクロン大統領が主導するウクライナの戦後安全保障保証に関する協議への対応としてなされたものです。
プーチン大統領は、長期的な平和合意が成立した場合、ウクライナにおける外国軍の駐留はもはや正当化されないとの見解も示しました。マクロン大統領は前日、26カ国がウクライナの戦後安全保障を保証するため、国際的な「安心部隊」として部隊を派遣することを約束したと発表していました。この部隊は、将来的な大規模な侵略を防ぐことを目的としています。
東方経済フォーラムでのパネルディスカッションで、プーチン大統領は「もし部隊が展開されるならば、特に現在のような戦闘状況下では、それらは『破壊されるべき正当な標的』と見なされる」と強調しました。また、平和的な解決策が模索される中で、外国部隊の存在意義は失われると付け加えました。
東方経済フォーラムは、ロシアがアジア太平洋地域との協力関係を強化するための重要な国際プラットフォームです。プーチン大統領は、中国や北朝鮮の首脳とも会談を重ねた直後にこの発言を行いました。
ロシアは一貫して、ウクライナへの外国部隊の派遣、特にNATO部隊の駐留は自国の安全保障に対する脅威であり、容認できないという立場を取っています。クレムリン報道官は、外国部隊はウクライナに安全保障保証を提供できないと述べ、2022年のイスタンブールでの和平交渉で合意された枠組みが、必要な保証を含んでいると主張しています。
一方、ウクライナとその西側同盟国は、将来的なロシアの侵攻を防ぐために、いかなる和平合意にも拘束力のある安全保障保証が不可欠であると考えています。米国がこの計画にどの程度関与するかは依然として不透明ですが、マクロン大統領とゼレンスキー大統領は、米国が計画の一部となる用意があることを示唆しています。プーチン大統領の警告は、ウクライナの同盟国が検討している安全保障保証の枠組みに対する、ロシアからの明確な牽制球と言えます。