Googleは、イタリアのエネルギー貯蔵企業であるEnergy Domeと戦略的提携を結び、同社のCO2バッテリー技術を導入することを2025年7月25日に発表しました。この協力は、再生可能エネルギー貯蔵の信頼性と拡張性を向上させ、Googleが掲げる2030年までの24時間365日カーボンフリーエネルギーでの運用目標達成を支援することを目的としています。
Energy DomeのCO2バッテリーは、圧縮・液化された二酸化炭素を利用してエネルギーを貯蔵・供給する革新的な技術です。このシステムは、エネルギー貯蔵の「スイートスポット」とされる8時間から24時間の長期間貯蔵に対応し、プロセス全体で大気へのCO2排出はゼロです。従来のバッテリー技術と比較して、常温での液化CO2貯蔵によりコストを大幅に削減できる点が特徴です。この技術は水、鋼鉄、CO2のみを使用しており、環境への影響も最小限に抑えられています。Energy Domeの技術は、再生可能エネルギーの変動性を補い、電力網の安定化に貢献します。余剰電力を貯蔵し、需要が高い時に放出することで、化石燃料への依存を減らし、より持続可能なエネルギーインフラの構築を目指します。同社のCO2バッテリーは、リチウムイオンバッテリーと比較してコストが半分程度であり、性能劣化もほとんどないため、長期的な運用に適しています。Energy Domeは、既にイタリアのサルデーニャ島で20MW/200MWhの商業プラントを3年以上稼働させており、その有効性を実証しています。
Googleのこの取り組みは、再生可能エネルギーへの移行における重要な課題である、信頼性の高いスケーラブルなエネルギー貯蔵ソリューションの必要性に対応するものです。2030年までにカーボンフリーエネルギーでの運用を目指すGoogleの目標達成に向け、Energy DomeのCO2バッテリー技術は、その実現に向けた重要な一歩となります。この提携は、長期間エネルギー貯蔵ソリューションの普及を加速させ、世界中のより強靭で持続可能なエネルギーグリッドに貢献することが期待されています。Energy Domeの技術は、既存の産業用コンポーネントを活用しており、世界中どこでも展開可能な標準化された設計が可能です。これにより、エネルギー貯蔵の分野における新たな時代の幕開けを告げるものと言えるでしょう。