アストロボティックのグリフィン-1、2026年7月以降にFLIPローバーを月面南極へ、商業探査の基盤を固める

編集者: Tetiana Martynovska 17

アストロボティック社の月着陸船グリフィン-1は、アストロラブ社のFLIPローバーを搭載し、月の南極地域への着陸を目指すミッションの最終段階に入っている。当初2025年後半の予定であったが、最新の計画では2026年7月以降の打ち上げが目標とされている。このミッションは、NASAがVIPERローバー計画を中止したことに伴い、グリフィン-1のミッションが大型着陸機の能力実証へと再構築された商業月面ペイロードサービス(CLPS)の一環である。

アストロラブ社のFLIP(FLEX Lunar Innovation Platform)は、将来の月面探査に不可欠な技術の実証を担う。具体的には、実物大のバッテリー、タイヤ、アビオニクスシステム、各種センサー、運用ソフトウェアといった基幹コンポーネントの性能を過酷な月面環境下で検証する。アストロラブ社のCEOであるジャレット・マシューズ氏は、このミッションがFLIP、そして将来の大型車両FLEXが実際の月面状況でどのように機能するかを理解するための鍵となると述べている。

さらに、このミッションは資源探査の商業化に向けた重要な一歩となる。2025年8月、アストロラブ社は天然資源会社インターリュン社と提携し、FLIPローバーに多波長カメラを搭載することを発表した。このカメラはNASAエイムズ研究センターと共同開発されたもので、月のレゴリスに含まれるヘリウム3の濃度を評価するために使用される。ヘリウム3は地球上では希少であり、核融合エネルギー燃料や量子コンピューティングの冷却材などへの応用が期待されている。インターリュン社のCEOロブ・マイヤーソン氏は、これを宇宙からの天然資源商業化に向けた画期的な一歩と位置づけている。

FLIPローバー自体も、アストロラブ社が開発中の大型商用車両FLEXの技術成熟を目的としている。特に、パートナーであるヴェンチュリ・スペースが開発した超変形可能な空気のないタイヤやバッテリーの性能評価が注目される。また、FLIPは月面塵が車両に与えるリスクを軽減する方法を検証するためのペイロードも搭載し、移動性、知覚、熱システムの性能特性評価にも貢献する。グリフィン-1の打ち上げは、エンジン予備試験の継続と主要システムの準備が進む中、2026年7月の次の利用可能なウィンドウをターゲットとしている。

ソース元

  • SpaceDaily

  • Moon Daily

  • Astrolab

  • PR Newswire

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