BYDは2025年9月、アル・フタイム社との提携により、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで画期的なメガワット・フラッシュ・チャージ技術を初公開しました。この先進的な充電システムは、電気自動車(EV)ユーザーの「充電不安」を解消し、ガソリン車並みの給油速度を実現することで、EVの普及を加速させることを目指しています。この技術は、UAEの「2050年カーボンニュートラル戦略」にも合致しており、持続可能な交通社会の実現に向けた重要な一歩となります。
BYDのスーパーeプラットフォームの一部であるこのシステムは、最大1メガワット(1,000kW)の充電出力を誇ります。これにより、わずか5分間の充電で最大400キロメートルの航続距離を確保することが可能になります。アル・フタイム・エレクトリック・モビリティ部門のルーカス・ベリエ氏は、この技術がUAEの「2050年カーボンニュートラル戦略」に沿ったものであることを指摘し、充電時間が給油と同じくらい速くなることで、EV普及の大きな障壁が取り除かれると語りました。このドバイでのデモンストレーションは、中国国外では初となります。
BYDは、2026年末までに中東地域全体で600基以上のメガワット・フラッシュ・チャージステーションを展開する計画です。この革新的な充電技術は、UAEの住民や企業のEV利用における実用性を高めるだけでなく、運輸部門からの二酸化炭素排出量削減を目指す同国の取り組みを直接的に支援するものです。
さらに、この技術はBYDのスーパーeプラットフォームとフラッシュ・チャージ・バッテリーを基盤としており、1000Vの高電圧アーキテクチャを採用しています。これにより、1000Aの充電電流と10Cの充電レートを実現し、量産車としては世界記録を樹立しました。中東地域におけるEVインフラの整備は急速に進んでおり、UAEは特にその先頭を走っています。このメガワット・フラッシュ・チャージ技術の導入は、この流れをさらに加速させるものと期待されています。BYDとアル・フタイム社のこの取り組みは、単なる技術革新に留まらず、よりクリーンで持続可能な未来への移行を促す触媒となるでしょう。