シェル、EV充電時間を10分未満に短縮する革新的な熱伝達液を発表

編集者: Tetiana Pin

電気自動車(EV)の普及を加速させる上で、充電時間の短縮とバッテリー性能の向上が喫緊の課題となっています。この度、シェル・ルブリカンツは、英国の自動車エンジニアリング専門企業であるRMLグループとの協力により、革新的なEV用熱伝達液「EV-Plus Thermal Fluid」を開発しました。この新技術は、独自のガス・トゥ・リキッド(GTL)技術を特徴とし、EVバッテリーをわずか10分未満で10%から80%まで充電可能にすることを目指しています。

EVバッテリーの性能、寿命、安全性は、その熱管理に大きく依存しています。過度な高温や低温は、充電能力、航続距離、バッテリー全体の健康状態に悪影響を及ぼすことが知られています。特に、急速充電時には大量の熱が発生するため、効果的な熱管理システムは不可欠です。消費者の間では、より長い航続距離と迅速な充電に対する需要が高まっており、これがEV技術革新の強力な推進力となっています。

シェルが開発したEV-Plus Thermal Fluidは、電気を通さない非導電性の液体であり、バッテリーパック内のあらゆる隙間に浸透することで、熱伝達を最大化します。これにより、各バッテリーセルとの直接的な接触が最適化され、精密な温度制御と熱事象に対する強化された保護が実現されます。この技術は、熱応力を大幅に低減し、より高い充電電流を許容することで、コンパクトで軽量なバッテリー設計を可能にします。その結果、従来のバッテリー電気自動車(BEV)と比較して、充電1分あたりの航続距離が最大5倍向上する可能性を秘めています。

シェル・ルブリカンツのグローバル・エグゼクティブ・バイスプレジデントであるジェイソン・ウォン氏は、「World EV Dayを祝うにあたり、シェルのEV-Plus Thermal Fluidがバッテリーの熱性能を大幅に向上させ、充電効率、安全性、利便性、コスト効率の向上を促進し、世界中の法規制によって求められるBEVの普及を支援できることを示すことができ、大変嬉しく思います」と述べています。プロジェクトの主任エンジニアであるロバート・メインワーリング氏は、「消費者は、バッテリーの寿命を損なうことなく、より優れたエネルギー効率、長い航続距離、そしてより速い充電を求めています。このプロジェクトを通じて、シェルのEV-Plus Thermal Fluidが充電時間の劇的な短縮をどのようにサポートできるかを示すことが私たちの目標でした」と付け加えています。これらの進歩は、EVの持続可能で効率的な普及を後押しするものです。

この革新は、超急速充電やスマートグリッド統合といった、EV充電技術における広範な進歩の流れの中に位置づけられます。RMLグループのような企業が、バッテリー技術の限界を押し広げ、充電時間の障壁を克服しようと取り組んでいることは、業界全体の変革への意欲を示しています。シェルのEV-Plus Thermal Fluidは、より実用的で魅力的なEV体験を提供し、電動モビリティへの移行をさらに加速させる重要な一歩となるでしょう。

結論として、シェルのEV-Plus Thermal Fluidは、EV充電技術における重要な進歩であり、より速く、より安全で、より効率的な充電を可能にすることで、電気自動車の広範な普及に貢献します。この技術は、消費者の充電に対する懸念を軽減し、持続可能なモビリティの未来を形作る上で重要な役割を果たすことが期待されます。

ソース元

  • electrive.com

  • Fleet News

  • Autoblog

  • Shell United States

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