ベントレーは、ビスポーク部門マリナーが手がける初の生産型コンバーチブルモデル、「マリナー・バトゥール・コンバーチブル」を発表しました。このモデルは、一台一台が個別の注文に基づいて製作されており、今回披露された車両は「オパライト」というカラーリングに鮮やかなアクセントが施されています。
ロードスターのインテリアは、ドライバーゾーンとパッセンジャーゾーンを明確に区分するコントラストが印象的で、往年のスポーツカーからインスピレーションを得ています。ドライバーズシートはブラックレザーとアルカンターラで仕上げられ、オレンジ色のステッチが施されているのに対し、パッセンジャーシートはより明るい色調となっています。シートの後ろには2色の異なるシートベルトが配置され、キーフォブもインテリアの色調に合わせて作られています。
ベントレー・マリナー・バトゥール・コンバーチブルには、最高出力750馬力、最大トルク1000Nmを発揮するパワフルなW12 6.0リッターツインターボエンジンが搭載されています。このエンジンは、8速デュアルクラッチトランスミッションとチタン製エキゾーストシステムと組み合わされています。このモデルは合計16台のみ生産され、価格は200万ポンド(約3億8千万円)を超えるとされています。
特筆すべきは、このW12エンジンは2024年夏に生産終了する予定であり、ベントレーの限定モデルに搭載され続けている点です。同社は、さらに12台限定のクーペモデルもリリースしています。これは、ベントレーが電動化への移行を進める中でも、内燃機関の象徴的なエンジンへの敬意を示していると言えるでしょう。
ベントレーは、初の電気自動車の発売に向けて準備を進めており、ラグジュアリーセグメントにおけるハンドクラフトマンシップの重要性を強調しています。「デジタルだけでは、決してラグジュアリーにはならない」というのが同社のスタンスであり、プレミアム競合他社に一石を投じています。このバトゥール・コンバーチブルは、ベントレーの未来のデザインDNAを継承し、次世代のモデルデザインを方向づけるものとなるでしょう。顧客は、マリナーの専門家と共に、色や仕上げを細部にわたりカスタマイズし、真にユニークな一台を創り上げることができます。このアプローチは、ベントレーが伝統的な職人技と最先端技術を融合させ、単なる自動車以上の、個人の表現を具現化したものを作り出すというコミットメントを体現しています。